SI組立単位

SI組立単位(エスアイくみたてたんい、: SI derived unit)は、国際単位系 (SI) の基本単位を組み合わせて作ることができる単位である。基本単位の冪乗の乗除だけで作ることができる組立単位は「一貫性のある組立単位」と言い、国際単位系は全ての組立単位が一貫性のある組立単位である、「一貫性のある単位系」である。

補助単位の廃止

ラジアンステラジアンは、かつては補助単位に位置づけられていたが、1995年国際度量衡総会(CGPM)において、補助単位という区分は廃止すること、この2つの単位は無次元の組立単位として解釈することが決議された[1]。この決議に基づき、1998年のSI第7版から、補助単位のカテゴリーは廃止され、ラジアンステラジアンは組立単位に分類された。

SI組立単位

SI組立単位の一例

下記に、国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所 計量標準総合センター「2.3.4 組立単位」表4~表6で挙げられているSI組立単位を列挙する。表5と表6については、世の中に存在するは限りなくあり、全てを挙げることは不可能であるので、いくつかの例が挙げられている。

表4 固有の名称と記号を持つ22個のSI単位[2]

いくつかのSI組立単位には、利便性の観点から固有の名称と記号が与えられている。固有の名称を持つSI組立単位は、下記に示す22個である。下方の4つの単位は、健康保護の観点から特別に固有の名称を与えられたものである。

組立量単位の固有の名称基本単位のみによる表現他のSI単位も用いた表現
平面角ラジアン (radian)rad=m/m1
立体角ステラジアン (steradian)sr=m2/m21
周波数ヘルツ (hertz)Hz=s−1 
ニュートン (newton)N=m·kg·s−2 
圧力応力パスカル (pascal)Pa=m−1·kg·s−2N/m2
エネルギー仕事熱量ジュール (joule)J=m2·kg·s−2N·m
仕事率放射束ワット (watt)W=m2·kg·s−3J/s
電荷クーロン (coulomb)C=s·A 
電位差ボルト (volt)V=m2·kg·s−3·A−1W/A
静電容量ファラド (farad)F=m−2·kg−1·s4·A2C/V
電気抵抗オーム (ohm)Ω=m2·kg·s−3·A−2 V/A
コンダクタンスジーメンス (siemens)S=m−2·kg−1·s3·A2A/V
磁束ウェーバ (weber)Wb=m2·kg·s−2·A−1V·s
磁束密度テスラ (tesla)T=kg·s−2·A−1Wb/m2
インダクタンスヘンリー (henry)H=m2·kg·s−2·A−2Wb/A
セルシウス温度セルシウス度℃=K 
光束ルーメン (lumen)lm=cd·m2/m2 = cdcd·sr
照度ルクス (lux)lx=m−2·cdlm/m2
放射性核種の放射能ベクレル (becquerel)Bq=s−1 
吸収線量カーマグレイ (gray)Gy=m2·s−2J/kg
線量当量シーベルト (sievert)Sv=m2·s−2J/kg
酵素活性カタール (katal)kat=s−1·mol 

表5 基本単位を用いて表現された一貫性のある組立単位の例[3]

組立量量の典型的な記号名称基本単位のみによる表現
面積A平方メートルm2
体積V立方メートルm3
速さ速度vメートル毎秒m/s
加速度aメートル毎秒毎秒m/s2
波数σ毎メートルm−1
密度、質量密度ρキログラム毎立方メートルkg/m3
面密度ρAキログラム毎平方メートルkg/m2
比体積vキログラム毎立方メートルkg/m3
電流密度jアンペア毎平方メートルA·m−2
磁界強度Hアンペア毎メートルA/m
物質量濃度cモル毎立方メートルmol/m3
質量濃度ρ, γキログラム毎立方メートルkg/m3
輝度LVカンデラ毎平方メートルcd/m2

表6 名称および記号の中に固有の名称と記号を持つ一貫性のあるSI組立単位が含まれている、一貫性のあるSI組立単位の例[4]

固有の名称を持つSI組立単位は、SI基本単位や他のSI組立単位と組み合わせて他の組立量を表すために用いることができる。

組立量一貫性のある組立単位の名称記号基本単位のみによる表現
粘度パスカル秒Pa·sm−1·kg·s−1
力のモーメントニュートンメートルN·mm2·kg·s−2
表面張力ニュートン毎メートルN/mkg·s−2
角速度角周波数ラジアン毎秒rad/sm·m−1·s−1 = s−1
角加速度ラジアン毎秒毎秒rad/s2m·m−1·s−2 = s−2
熱流密度放射照度ワット毎平方メートルW/m2kg·s−3
熱容量エントロピージュール毎ケルビンJ/Km2·kg·s−2·K−1
比熱容量比エントロピージュール毎キログラム毎ケルビンJ/(kg·K)m2·s−2·K−1
比エネルギージュール毎キログラムJ/kgm2·s−2
熱伝導率ワット毎メートル毎ケルビンW/(m·K)m·kg·s−3·K−1
エネルギー密度ジュール毎立方メートルJ/m3m−1·kg·s−2
電界の強さボルト毎メートルV/mm·kg·s−3·A−1
電荷密度クーロン毎立方メートルC/m3m−3·s·A
表面電荷密度クーロン毎平方メートルC/m2m−2·s·A
電束密度、電気変位クーロン毎平方メートルC/m2m−2·s·A
誘電率ファラド毎メートルF/mm−3·kg−1·s4·A2
透磁率ヘンリー毎メートルH/mm·kg·s−2·A−2
モルエネルギージュール毎モルJ/molm2·kg·s−2·mol−1
モルエントロピー、モル熱容量ジュール毎モル毎ケルビンJ/(mol·K)m2·kg·s−2·K−1·mol−1
照射線量X線およびγ線クーロン毎キログラムC/kgkg−1·s·A
吸収線量率グレイ毎秒Gy/sm2·s−3
放射強度ワット毎ステラジアンW/srm4·m−2·kg·s−3 = m2·kg·s−3
放射輝度ワット毎平方メートル毎ステラジアンW/(m2·sr)m2·m−2·kg·s−3 = kg·s−3
酵素活性濃度カタール毎立方メートルkat/m3m−3·s−1·mol

その他の組立単位の例

以下の組立単位は、SI文書第9版(2019)には掲げられていない。参考として列挙したものである。

組立量名称記号SI基本単位による表し方
動粘度平方メートル毎秒m2/s 
質量吸収係数平方メートル毎キログラムm2/kgcm2·g−1 ( = 0.1m2kg−1)
比容積立方メートル毎キログラムm3/kg 
質量モル濃度モル毎キログラムmol/kg 
モル体積立方メートル毎モルm3/mol 
拡散率平方メートル毎秒m2/s 
質量流量密度キログラム毎平方メートル毎秒kg/m2·s 
導電率ジーメンス毎メートルS/mm−3·kg−1·s3·A2
モル導電率ジーメンス平方メートル毎モルS·m2/molkg−1·mol−1·s3·A2

出典

関連項目

参考文献

  • BIPM『国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版』産業技術総合研究所 計量標準総合センター訳、産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年3月。


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