電気定数

電気定数: electric constant)とは、電気的な場を関係付ける構成方程式係数として表れる物理定数である。 電気定数は真空の誘電率: permittivity of vacuum, permittivity of free space)とも呼ばれるが、誘電率は電場に対する誘電体の応答を表す物性量であり、真空は誘電体ではないため電気定数は誘電率ではない。誘電体の物性は、電気定数に対する誘電率の比である比誘電率が表現する。 記号は ε0 が用いられる。 電磁気量の体系には歴史的に幾つかの流儀があり、量体系の選択によっては表れない定数である。

電気定数
electric constant
記号 ε0
8.8541878128(13)×10−12 F m1[1]
相対標準不確かさ 1.5×1010

国際量体系(ISQ)において、電気定数は磁気定数 μ0光速度 c、及び真空における電磁波の特性インピーダンス Z0 との間に

の関係がある。ガウス単位系ヘヴィサイド単位系などが基づく、電気的な量と磁気的な量の次元が一致するように対称化された量体系では

で関係付けられる。また、静電単位系電磁単位系、ガウス単位系などが基づく、マクスウェル方程式に係数 4π を含む非有理系では

で関係付けられる。

国際単位系(SI)における値は

である(2018CODATA推奨値[1])。2018年までは電気定数は定義値であり、不確かさはなかった。2018年に策定され、2019年に発効したSIの定義において、電気素量のSI単位による値を固定したため、電気定数は不確かさを持つ測定値となった。

概要

電気的な場としては電荷に力を及ぼす場である電場の強度 E と、電荷の存在によって生じる場である電束密度 D がある。これら二つの場は由来は異なるが分極 P を介して構成方程式で関係付けられる。ISQにおいては

であり[2]、この係数が電気定数である。 電場の強度は [力]/[電荷] の次元 E L1 Q1 を持ち、電束密度は [電荷]/[面積] の次元 L2 Q を持つ。これを換算する電気定数は次元 E1 L1 Q2 を持ち、力学量の次元だけでなく、電荷の次元を含んでいる。基礎方程式系を定め[注 1]、電気定数の単位と値を定めることで、静電気の単位が定まる。

なお、ガウス単位系はISQとは異なる量体系に基づいており構成方程式は

で表される[2]。これは電気定数が ε0 = 1 に固定されていることを意味しており、電気定数は理論に現れない。このとき電気定数は次元が 1 の無次元量であり、電荷の次元は Q = E1/2 L1/2 となる。つまり、電荷は力学量から組み立てられる組立量であり、これと対応して電荷の単位も力学単位から組み立てられる組立単位となる。CGS-ガウス単位系ではエネルギーの単位にエルグ(erg)を、長さの単位にセンチメートル(cm)を用いるので、電荷の単位は erg1/2 cm1/2 となる。

脚注

注釈

  1. 基礎方程式系として、有理化の係数や静電気と電流(磁気)と関係づける対称化の係数に異なる選び方がある。

出典

外部リンク

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