陰部潰瘍

陰部潰瘍(genital ulcer)または生殖器潰瘍とは、陰部に生じた潰瘍である。また、下疳(げかん)は、陰部潰瘍の漢語的表現である。

Genital ulcer
分類および外部参照情報
DiseasesDB 19297

通常、性器ヘルペス硬性下疳梅毒)、軟性下疳などの性感染症によって発生する。陰部の潰瘍以外にも、鼠径部におけるリンパ節腫脹や有痛無痛の小水疱なども徴候として挙げられる。陰部潰瘍をさらに分類すると、男性の陰部に潰瘍形成するもの(penile ulceration)と女性の陰部に潰瘍形成するもの(vulval ulceration)の二種類がある。

なお、性感染症以外でも、例えばベーチェット病全身性エリテマトーデスなどの膠原病でも陰部潰瘍を生じことがあるため、性感染症に特異的な徴候というわけではない。

鑑別

性感染症における陰部潰瘍の鑑別
区別軟性下疳硬性下疳鼠径リンパ肉芽腫鼠径肉芽腫性器ヘルペス性器カンジダ症
潜伏期 2 - 7日3週間1 - 2週間10週間2 - 10日日和見
多発単発多発多発多発多発
硬結 なしありなしありありなし
疼痛 ありなしなしなしありあり
鼠径リンパ節腫脹 片側性両側性片側性なし両側性なし
病原体 軟性下疳菌梅毒トレポネーマクラミジア・トラコマチスカリマトバクテリウム単純ヘルペスウイルスカンジダ
伊東反応 陽性陰性陰性陰性陰性陰性
梅毒血清反応 陽陰性陽性陰性陰性陰性陰性
頻度 僅少少ない僅少僅少多い多い

参考文献

  • 熊本悦明ら 編『性感染症―症候からみた検査の進め方』医薬ジャーナル社、1991年、43-44頁、68-69頁。
  • 山本忠治郎 「軟性下疳」、国府達郎ら 編『感染症III』新内科学大系54巻、中山書店、1974年、237頁-239頁。
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