裏番組

裏番組(うらばんぐみ)とは、ある放送局番組と同じ時間帯に同じ地域受信できる他局の番組[1]

概要

広告による収入を収益源とする放送局において、視聴率確保の観点から裏番組は「競合番組」となる[1][2]。ある放送局で高視聴率の番組が放送されている場合、他の放送局が放送する裏番組は視聴率が低下するなどの影響を受ける[2]

裏番組の状況に加え、録画やオンデマンドによる視聴の増加も視聴率に影響する[3]。一方の番組を視聴しながら裏番組を録画できる機能を有するテレビレコーダーなどの機器も発売されている[4]

裏被り

芸能人が裏番組に重複して出演することを裏被り(うらかぶり)といい、同じ出演者が複数の番組に登場することで視聴率が分散してしまう恐れがあるため忌避される傾向にある[1]。番組の重複が避けられない場合は、一方の番組がCMを放送している時間に出演させる、或いは該当番組が始まる直前に退席する、番組自体を第1部と第2部に区切って別番組扱いにするなどの調整が行われる[5][6][7]渡辺プロダクションジャニーズ事務所のようにかつては同じ芸能事務所に所属しているタレント同士での裏被りを規制していたケースもある[8][9][10]

また、帯番組で特定の曜日にレギュラー出演している場合、他の曜日において裏番組に出演することも忌避される。

レギュラー番組を持つ芸能人がその番組の放送時間の裏の特別番組などに出演する際は、時間が重複している番組のタイトルの一部や、タイトルや出演者を想起させるフレーズが用いられることもあるが、「大人の事情」という言葉も使われることがある[11][12]。過去の放送回や他の番組のVTR素材などを使用する場合も例外ではなく、該当出演者の顔にモザイク処理するなどの措置がとられるケースもある[13][14]。特定の期間(1クール=3か月間)、連続ドラマに出演する俳優が現れた場合には、その期間だけ休演(一時的卒業)し、期間明けで復帰という事例もある[12]

なお、重複出演が規制されるのは地上波の全国ネット番組同士で、重複する一方が独立放送局やBS・CS放送である場合は特に規制は見られない[6](ただし、NHKの地上波とBSが同じタイミングであれば、地上波のみ一時退席)。また、一部の地域で片方または両方の番組が遅れネットとなった結果、その地域だけ放送時間が重複するケースもある[15]

一方、年末年始の特別番組や、特定の芸能事務所に所属しない学者文化人出身の芸能人については、裏番組と重複出演をしても放送局から寛容的に扱われる場合もある[16][17]。また、スポーツ中継報道特別番組などの不可抗力による延長や編成で、どちらか一方の番組が通常の放送時間よりも繰り下げられた結果、重複出演となってしまった場合[19][20]、少なくとも一方の番組が、ニュース情報番組などの報道目的として取り上げられたものであり、それに伴い、他の番組に出演していた時のVTR素材などが使用された場合[21]など、出演が認められるケースもある。

裏被りの調整は番組の企画段階から行われるものの、様々な事情でスケジュールの調整が付かず、結果放送時に重複出演となってしまった例がある。一例では2006年(平成18年)1月3日、午後9時からNHK総合テレビで『新選組!! 土方歳三 最期の一日』、午後9時30分からフジテレビで『古畑任三郎ファイナル』が放送された。両番組は脚本は三谷幸喜が担当しており、さらに藤原竜也石坂浩二の両名が出演しているという前代未聞の事態が発生した。放送前にこのことに気づいた両局が調整を試みたがうまくいかず、結局そのまま放送された。この件についてはフジテレビ側が「調整が間に合わなかった」と謝罪することとなった[6][22]。なお、三谷も朝日新聞に連載する「ありふれた生活」において放送前にこのことを告知したうえで、「自分の作品同士で視聴率を取り合うというのは、作者としてとても哀しい。作品はどれも苦労して育てたわが子みたいなもの。争って欲しくはない。一皿のカレーライスを前に、長男と次男が大喧嘩しているのを、黙って見ているしかない父親のような気持ちだ。というわけでその日、僕は九時まで細木数子さんを見て、それから犬の散歩に出ます」として両番組とも視聴しないことを予告した[22]。なお、視聴率は『新選組』が9.8%、『古畑』が21.5%であった。

また、他局を含む複数の放送局が共同で企画・制作した番組が同じ時間帯に放送される場合、同じ内容の番組が同時に放送されることを前提としているため、必然的に当該番組の出演者の裏被りが起きるといった例外も存在する[23]

関連項目

脚注

  1. “こじるり参院選特番で「裏被り」 テレ東出てたのに「ZERO」にも...”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2019年7月22日). https://www.j-cast.com/2019/07/22363215.html 2019年11月8日閲覧。
  2. “『ポツンと一軒家』、『24時間テレビ』の裏で“総集編”でも高視聴率のワケは好条件の重なり?”. リアルライブ (フェイツ). (2019年8月26日). https://npn.co.jp/article/detail/87133308/ 2019年11月8日閲覧。
  3. “最終コーナーを回った「いだてん」は史上最低の大河なのか?…NHK制作トップの反省の弁と出演者の不祥事続出”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年10月26日). https://hochi.news/articles/20191024-OHT1T50091.html 2019年11月8日閲覧。
  4. “1TB HDD内蔵 4Kも地デジも裏番組録画できる4K有機EL&4K液晶テレビ”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2019年7月17日). https://www.j-cast.com/trend/2019/07/17362744.html 2019年11月8日閲覧。
  5. 東野、裏かぶり解消で「ワイドナ」が「B面」と一本化”. デイリースポーツ(2016年9月5日作成). 2019年12月24日閲覧。
  6. テレビ業界の暗黙のルール タレントの”裏かぶり”なぜいけない?”. oricon news (2018年2月25日). 2018年2月25日閲覧。
  7. ぺこぱ、裏番組出演のため『サンジャポ』途中退席 太田光イジる「まさかのダブルブッキング?」”. ORICON NEWS (2020年6月14日). 2020年7月20日閲覧。
  8. 全曜日制覇の関ジャニ∞は要注意! 「裏かぶり」の恐ろしさとは?”. アサ芸プラス(2015年3月23日作成). 2019年11月29日閲覧。
  9. タッキー改革でジャニーズ内紛火種 Jr.売り出しへ裏番組出演解禁が招くキンプリvsSnow Man”. 東京スポーツ(2019年4月27日作成). 2019年11月29日閲覧。
  10. 故・井原高忠 日テレプロデューサーに学ぶ「芸能プロの未来図」”. FRIDAY(2019年8月1日作成). 2019年12月24日閲覧。
  11. カンニング竹山「ビビット」でエンディング不在だった理由明かす「裏番組との大人の事情」”. デイリースポーツ(2019年9月23日作成). 2019年9月23日閲覧。
  12. 沢村一樹、「突然ですが占ってもいいですか?」を3月までお休み…「大人の事情が」”. デイリースポーツ (2020年12月16日). 2020年12月25日閲覧。
  13. 次長課長・河本準一 とんねるず番組でモザイク処理 ネット上で話題に「何でモザイクかかってる?」「何かやったっけ?」”. リアルライブ(2015年3月6日作成). 2020年2月13日閲覧。
  14. ダウンタウン、とんねるず…人気番組の出演者が次々とモザイク処理され視聴者騒然”. アサ芸プラス(2017年3月17日作成). 2020年2月13日閲覧。
  15. 一例が宮崎県における関口宏である。日曜日の朝に放送する『サンデーモーニング』は宮崎放送で生放送されている。その裏でテレビ宮崎が『どっちの料理ショー』を8:00 - 8:55に遅れネットした結果、どちらも司会を務める関口が裏被りする事態が長年続いた。
  16. 週刊文春』2013年7月11日号。
  17. TBSのおかげで“ダブルブッキング”を回避できた織田裕二”. リアルライブ(2013年8月20日作成). 2019年11月29日閲覧。
  18. 「ハケンの品格」大泉洋の登場を切望する声 小堺一機が同時間帯の2局に出演”. 共同通信OVO (2020年6月25日). 2020年7月20日閲覧。
  19. 災害などの諸事情でやむを得ず、ドラマ番組などの放送時期が遅れた結果、別番組との重複出演になってしまった場合も含む[18]
  20. マツコ珍事!フジとテレ朝に同時間出演…日本シリーズ中継延長余波”. スポーツニッポン(2015年10月28日作成). 2019年3月13日閲覧。
  21. フジ「とくダネ!」が裏番組の加藤浩次“去就”を速報”. 東京スポーツ(2019年7月24日作成). 2019年7月25日閲覧。
  22. 古畑任三郎、異色の犯人イチロー 三谷幸喜が驚いた質問”. 朝日新聞 (2020年5月10日). 2020年12月25日閲覧。
  23. “五輪半年前、民放5系列で同番組”. 共同通信. (2020年1月24日). https://this.kiji.is/593312147857376353 2020年1月24日閲覧。
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