航空宇宙工学

航空宇宙工学(こうくううちゅうこうがく、英語: aerospace engineering)とは、航空工学宇宙工学の総称であり、航空機ロケット人工衛星などの設計・製造・運用に関する工学の一分野。[1]宇宙開発航空機の発展ときわめて密接に関係しながら発達してきた歴史的経緯もあり、航空機と宇宙機はともに研究・開発されることが多い。

概要

航空機・宇宙機はその性質上、気圧温度の急激な変化にさらされたり、[2][3]機体構造に大きな荷重がかかったりするなど過酷な環境におかれる、[4][5][6]といったことが目に見えてわかりやすいが、真の難しさは、航空機や宇宙機がその機能を果たすためには安全係数を大きく取れないことにある。[7]そのため、機体設計の過程では空気力学構造力学をはじめとして様々な科学技術の知識が必要となり、[8][9][10][11]これら航空宇宙機に用いられる知識体系が集合的に航空宇宙工学という分野を形成している。このように関係する分野の多彩さから、航空宇宙工学に携わる者が一人で全容を把握することは極めて困難である。[12]よって実際の開発では様々な分野の専門家がチームを形成し、分担して関わることになる。また各分野からみて望ましい機体の形状や性能については見解が互いに矛盾する場合があり、開発に当たっては各観点の重要度を総合的に判断し、性能・価格・技術的課題のバランスをみながら進めていくというのも、航空宇宙工学の特徴の1つである。[1]

  1. Encyclopedia of Aerospace Engineering / Edited by Richard Blockley, Wei Shyy. Chichester, West Sussex, U.K.: Wiley, 2010
  2. 板垣春昭. (1995). 宇宙における熱問題. 真空, 38(6), 574-580.
  3. 小林康徳. (1994). 宇宙での熱制御技術. 日本機械学会誌, 97(910), 772-774.
  4. 武田峻. (1961). 滑走路走行時の航空機の振動・荷重. 日本航空学会誌, 9(91), 241-247.
  5. 竹内和之. (1970). 航空機の実働荷重と疲れ設計. 日本機械学会誌, 73(621), 1434-1438.
  6. このような環境では機体そのものだけでなく機内の飛行士なども影響を受けることとなり、これは宇宙医学などが扱う主題である。
  7. なお実際の安全係数の数字は航空分野と宇宙分野でかなり違うので、文脈にもよるが、ひとくくりにするのは誤りだと断ずる専門家も多い。
  8. 廣瀬直喜. (2003). 飛行機の空気力学の基礎的課題. 日本流体力学会誌 「ながれ」, 22(1), 23-28.
  9. 佐藤淳造. (1983). 航空機設計で要望される空気力学上の問題点の例. 日本航空宇宙学会誌, 31(359), 660-667.
  10. 遠藤浩. (1981). 将来の航空技術のための空気力学的課題. 日本航空宇宙学会誌, 29(325), 56-63.
  11. Jameson, A. (1989). Computational aerodynamics for aircraft design. Science, 245(4916), 361-371.
  12. Career: Aerospace Engineer”. Career Profiles. The Princeton Review. 2006年10月8日閲覧。

関連項目

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