第5族元素

第5族元素(だいごぞくげんそ)は、周期表において第5族に属する元素の総称であり、バナジウムニオブタンタルドブニウムからなる。バナジウム、ニオブ、タンタルはバナジウム族元素と呼ばれることもある。

5
周期
4 23
V
5 41
Nb
6 73
Ta
7 105
Db

いずれも金属で、硬く強靭で耐食性がある。また、融点沸点も高いのが特徴。にも侵されにくい。超硬材料や、触媒などに利用される。

閉殻していないd軌道を持ち、遷移元素として取り扱われる。

性質

第5族元素では価電子および内殻電子の電子構造は周期により異なる。

バナジウム
23V
ニオブ
41Nb
タンタル
73Ta
ドブニウム
105Db
電子配置[Ar]3d34s2[Kr]4d45s1 [Xe]4f145d36s2 [Rn]5f146d27s2
第1イオン化エネルギー
(kJ mol-1
650652.1714 
第2イオン化エネルギー
(kJ mol-1
1,4131,3821,500 
第3イオン化エネルギー
(kJ mol-1
2,8282,416  
第4イオン化エネルギー
(kJ mol-1
4,506.63,700  
第5イオン化エネルギー
(kJ mol-1
6,2944,877  
電子親和力
(電子ボルト)
0.5250.8930.322 
電気陰性度
(Allred-Rochow)
1.321.221.23 
イオン半径
(pm; M5+
68(6配位)62 (4配位)
78 (6配位)
78 (6配位)
88 (8配位)
 
結合半径
(pm)
131137143139
融点
(K)
2,1752,7503,290 
沸点
(K)
3,6825,0175,731 
酸化還元電位 E0 (V) -1.1
(M3+/M)
  

いずれも硬く強靭な金属で、融点沸点も高いのが特徴。超硬材料や、触媒などに利用される。物性計算上は単体金属は強い還元剤であることが示唆されるが、容易に不動態皮膜を形成するので常温では耐食性があり非酸化性のにも侵されにくい。例えば強くて薄いタンタルの酸化皮膜はタンタルコンデンサーに応用されている。

一方、高温では大抵の非金属元素と反応し、酸化物、炭化物(MC)、窒化物(MN)、硫化物を形成するが、後述の様に生成物の金属の酸化数は多様である。

5族元素いずれもが酸化数-1から+5の多様な化合物、イオンを形成する。代表例を次に挙げる。

酸化数バナジウムニオブタンタル
-1V(CO)6-Nb(CO)6-Ta(CO)6-
0V(CO)6  
+1V(bpy)3+(π-C5H5)Nb(CO)4(π-C5H5)Ta(CO)4
+2V(CN)64-  
+3V(NH3)63+NbCl3TaBr3
+4K2VCl6NbCl4TaO2
+5VOCl3NbF5Na2TaF8
bpy - bipydidyl
π-C5H5 - cyclopentadienyl

引用文献

  1. 化学便覧 基礎編, 日本化学会編, 改訂5版, 丸善
  2. R.B.ヘスロップ, K. ジョーンズ, 無機化学, 東京化学同人

リンク

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