恩賜賞 (日本学士院)

恩賜賞
受賞者に与えられる
『御紋付銀花瓶』
受賞対象日本学士院賞の中から
学術上最も優れた論文
著書、その他の研究業績
会場日本学士院会館
日本
授与者帝国学士院→)
日本学士院
報酬0円
初回1911年
最新回2020年
最新受賞者斎藤通紀
公式サイト授賞 | 日本学士院

恩賜賞(おんししょう、英語: Imperial Prize)は、日本学士院である。

概要

恩賜賞および日本学士院賞授賞式(2019年6月17日日本学士院会館にて)

日本学士院は学術上特にすぐれた論文、著書その他の研究業績に対する授賞事業を行っている(日本学士院法第8条1項1号)。日本学士院による賞は、日本の学術賞としては最も権威ある賞である。恩賜賞は日本学士院による賞の中でも特に権威あるもので、本来は日本学士院賞(帝国学士院賞)とは別個の賞であったが、1970年からは毎年9件以内授賞される日本学士院賞の中から特に優れた各部1件乃至2件以内に皇室の下賜金で授賞されるものとなっている。

1911年帝国学士院により創設された。1947年までは帝国学士院の賞であり、1948年より日本学士院の賞となった。

1949年昭和天皇が授賞式に行幸し、以来、天皇が授賞式に臨席するのが慣例となった。1990年明仁天皇美智子皇后が授賞式に行幸啓し、以来、天皇と皇后が授賞式に臨席するのが慣例となった。

名称

英語での名称は「Imperial Prize」[1]である。

歴代受賞者

回数授賞式開催日受賞者学位研究題目
第1回1911年7月5日木村栄理学博士地軸変動の研究特に(Z)項の発見
第2回1912年5月12日有賀長雄法学博士
文学博士
仏文日清戦役国際法論及仏文日露陸戦国際法論
富士川游 日本医学史
平瀬作五郎公孫樹の精虫の発見
池野成一郎理学博士蘇鉄の精虫の発見
第3回1913年7月5日村岡良弼続日本後紀纂詁
上坂熊勝医学博士脳神経起首の研究
第4回1914年7月5日田原淳医学博士哺乳動物の心臓に於ける刺戟伝導筋系統の研究
第5回1915年7月5日野口英世医学博士
理学博士
スピロヘータパリーダの研究
第6回1916年7月2日大矢透仮名に関する研究
林泰輔文学博士周公と其時代
稲田龍吉医学博士黄疸出血性スピロヘーテ病に関する研究
井戸泰
第7回1917年7月1日佐佐木信綱文学博士日本歌学史及和歌史の研究
寺田寅彦理学博士ラウエ映画の実験方法及其説明に関する研究
第8回1918年5月12日和田英松 宸記集及皇室御撰解題
木村泰賢印度六派哲学
柴田桂太理学博士植物界に於けるフラヴォン体の研究
第9回1919年5月25日石原純理学博士相対性原理万有引力論及び量子論の研究
第10回1920年5月30日三浦周行文学博士法制史之研究
辻本満丸工学博士脂油の研究
第11回1921年5月22日辻善之助文学博士日本仏教史之研究
布施現之助医学博士脳の解剖的研究
第12回1922年5月21日高嶺俊夫理学博士スタルク効果の共同研究
吉田卯三郎理学博士
第13回1923年5月27日徳富猪一郎 近世日本国民史
柿村重松本朝文粋註釈
朝比奈泰彦薬学博士漢薬成分の化学的研究
木下季吉理学博士放射線に関する研究
第14回1924年6月8日八代国治文学博士長慶天皇御即位の研究
佐々木隆興医学博士蛋白質及び之を構成するアミノ酸の細菌に因る分解とアミノ酸の合成に関する研究
第15回1925年5月31日矢吹慶輝文学博士三階教の研究
物部長穂工学博士構造物の振動殊に其の耐震性の研究
第16回1926年5月16日沼田頼輔日本紋章学
小沢儀明理学博士中国地方の古生層並に中生層の層位学上の研究
第17回1927年5月20日加藤繁文学博士唐宋時代に於ける金銀の研究(但し其の貨幣的機能を中心として)
柴田雄次理学博士金属錯塩の分光化学的研究
第18回1928年4月14日神戸正雄法学博士租税研究
掛谷宗一理学博士連立積分方程式及び之に関連せる函数論的研究
第19回1929年4月26日志田順理学博士地球及地殻の剛性並に地震動に関する研究
第20回1930年5月30日足立文太郎医学博士日本人の動脈系統
第21回1931年5月14日妹沢克惟工学博士地震波の生成伝播其他に関する理論的研究
第22回1932年5月10日金田一京助アイヌ叙事詩 ユーカラの研究
和達清夫理学博士深処に発生する地震に関する研究
第23回1933年5月11日辻二郎工学博士光弾性の研究
鈴木文助農学博士脂肪酸及之を含有する生物体成分の研究
第24回1934年5月11日仁井田陞唐令拾遺
坪井誠太郎理学博士火成岩の成因に関する研究
第25回1935年5月31日小倉進平文学博士郷歌及び吏読の研究
花山信勝 聖徳太子御製 法華義疏の研究
第26回1936年6月1日小川尚義原語による台湾高砂族伝説集
佐々木隆興医学博士o-Amidoazotoluolの経口的投与による肝臓癌成生の実験的研究
吉田富三
第27回1937年5月13日堀場信吉理学博士化学反応速度の熱解析
丹羽保次郎工学博士写真電送装置に関する研究
第28回1938年5月13日受賞者なし
第29回1939年5月11日石川謙石門心学史之研究
呉建医学博士脊髄副交感神経に関する研究
第30回1940年5月30日能勢朝次能楽源流考
湯川秀樹理学博士素粒子間の相互作用に関する理論的研究並に宇宙線中の新粒子Mesotronの存在に対する予言
堀内寿郎理学博士化学反応速度論の理論及実験的研究
第31回1941年5月13日松本栄一文学博士燉煌画の研究 図像篇
岡部金治郎工学博士磁電管に関する研究
久野寧医学博士人体発汗の研究
第32回1942年5月13日宇野円空文学博士マライシヤに於ける稲米儀礼
第33回1943年5月13日信夫淳平法学博士戦時国際法講義
古畑種基医学博士血液型の研究
木原均理学博士小麦の細胞遺伝学的研究
第34回1944年5月10日緒方知三郎医学博士唾液腺の内分泌に関する研究
第35回1945年6月12日三島徳七工学博士特殊鋼殊にM.K.磁石鋼の研究
船田享二法学博士羅馬法
奥野高広皇室御経済史の研究
第36回1946年6月13日増本量理学博士異常特性を有する鉄合金の研究
第37回1947年5月13日松村武雄文学博士神話学原論析
第38回1948年6月11日家永三郎上代倭絵年表 上代倭絵全史
第39回1949年6月15日後藤格次農学博士シノメニンに関する研究
第40回1950年5月11日坂田昌一理学博士中間子理論
第41回1951年5月15日外山修之工学博士油脂殊に海産動物油に関する研究
第42回1952年5月13日水野清一 雲岡石窟に関する研究
長広敏雄
第43回1953年5月12日吉田富三医学博士吉田肉腫の病理学的研究
第44回1954年5月12日田村実造文学博士慶陵
小林行雄
第45回1955年5月12日藤田良雄理学博士低温度星の分光学的研究
第46回1956年5月14日志方益三農学博士ポーラログラフィーの研究
舘勇農学博士
第47回1957年5月14日中村元文学博士初期ヴェーダーンタ哲学史
第48回1958年5月12日新関良三文学博士ギリシャ・ローマ演劇史
第49回1959年6月2日今井功理学博士航空力学への寄与
第50回1960年5月18日高田修 醍醐寺五重塔の壁画
伊東卓治
山崎一雄農学博士
上野アキ 
柳沢孝
宮次男
第51回1961年5月12日冲中重雄医学博士自律神経に関する研究
第52回1962年5月11日笹淵友一文学博士近代日本文学における浪漫主義の研究
第53回1963年5月10日永宮健夫理学博士反強磁性体の理論的研究
第54回1964年5月8日武藤清工学博士耐震構造に関する研究
第55回1965年5月18日小島憲之文学博士上代日本文学と中国文学
第56回1966年5月25日前田恵学文学博士原始仏教聖典の成立史研究
第57回1967年5月23日吉田耕作理学博士近代解析の研究
第58回1968年5月30日西田龍雄文学博士西夏語の研究
第59回1969年6月9日久保亮五理学博士非可逆過程の統計力学における線型応答理論
第60回1970年5月18日中村栄孝日鮮関係史の研究
岡村誠三工学博士放射線重合に関する研究
第61回1971年5月27日宮本又次経済学博士小野組の研究
林忠四郎理学博士核反応恒星の進化に関する研究
第62回1972年5月27日松下忠文学博士江戸時代の詩風詩論―明清の詩論とその摂取
江橋節郎医学博士筋の収縮及び弛緩の機構に関する研究
第63回1973年6月1日竹島卓一工学博士営造法式の研究
近藤淳理学博士極低温における稀薄磁性合金の電気抵抗の極小に関する研究
第64回1974年6月10日三上次男文学博士史研究
石坂公成医学博士免疫グロブリンEの発見とレアギン型アレルギーの機序に関する研究
第65回1975年6月2日高崎直道文学博士如来蔵思想の形成
小田稔理学博士すだれコリメータの発明とX線天文学への寄与
第66回1976年6月7日杉村隆医学博士胃癌発生に関する実験的研究
第67回1977年6月13日高橋信次医学博士X線による生体病理解剖の研究
第68回1978年6月14日伊藤清理学博士確率微分方程式の研究
第69回1979年6月11日古在由秀理学博士土星衛星人工衛星及び小惑星の運動の研究
第70回1980年6月11日岡田善雄医学博士細胞融合現象の解析と細胞工学的応用
第71回1981年6月10日長野泰一医学博士インターフェロンの研究
第72回1982年6月14日原亨吉ドクトゥール・ド・
トロワジェーム・シクル・
アン・ロジック
パスカルの数学的業績(仏文“L'ŒUVRE MATHEMATIQUE DE PASCAL”)
角谷静夫理学博士函数解析の研究
第73回1983年6月13日向山光昭理学博士有機合成化学の新手法開拓と生体関連物質の合成
第74回1984年6月11日仲宗根政善沖縄今帰仁方言辞典―今帰仁方言の研究・語彙篇―
田村学造農学博士火落酸の発見並びにイソプレノイドの関与する複合糖質の生合成阻害に関する研究
第75回1985年6月10日佐藤了理学博士ミクロソームの複合酸素添加酵素系に関する研究
第76回1986年6月9日伊藤正男医学博士小脳の神経機構と運動学習の機序
第77回1987年6月8日福山敏男工学博士寺院建築の研究・神社建築の研究(福山敏男著作集 1〜4)
山崎敏光理学博士中間子物理の実験的研究
第78回1988年6月13日西村暹理学博士核酸塩基修飾に関する有機化学・生化学的研究
第79回1989年6月12日佐伯富文学博士中国塩政史の研究
日沼頼夫医学博士成人T細胞白血病のウイルス病因に関する研究
第80回1990年6月11日中西香爾理学博士機能性天然有機化合物の構造および生体内機能発現に関する研究
第81回1991年6月10日小林芳規文学博士角筆文献の国語学的研究
外村彰工学博士電子線ホログラフィの開発とAB効果の実証
第82回1992年6月8日都築忠七ドクター・オブ・
フィロソフィー
19世紀後半のイギリス社会主義思想および運動の研究
岸本忠三医学博士インターロイキン6(IL-6)に関する研究
第83回1993年6月7日田仲一成文学博士中国祭祀演劇に関する研究
田中靖郎理学博士X線天体の相対論的特性
第84回1994年6月6日熊田誠工学博士有機ケイ素化学に関する研究(共同研究)
桜井英樹理学博士
第85回1995年6月12日三根谷徹中古漢語と越南漢字音
深尾良夫理学博士マントル ダイナミクスに関する地震学的研究
第86回1996年6月10日本庶佑医学博士抗体クラススイッチ制御に関する研究
第87回1997年7月7日中西重忠医学博士神経伝達の分子メカニズムに関する研究
第88回1998年6月22日柳田敏雄工学博士生物運動の分子機械の直接操作と観測
第89回1999年6月14日夫馬進博士(文学)中国善会善堂史研究
岸義人理学博士海洋天然化合物の有機化学的研究
第90回2000年6月12日佐藤次高文学博士State and Rural Society in Medieval Islam: Sultans, Muqta‘s and Fallāhūn
長田重一理学博士アポトーシスの分子機構の研究
第91回2001年6月11日林文夫Ph.D.Understanding Saving: Evidence from the United States and Japan
浅島誠理学博士初期発生における形態形成の基礎的研究
第92回2002年6月10日藤本隆宏D.B.A.The Evolution of a Manufacturing System at Toyota
飯島澄男理学博士高分解能電子顕微鏡の開発とカーボンナノチューブの発見
第93回2003年6月9日柳田充弘理学博士細胞周期の制御と染色体分配の機構
第94回2004年6月14日須磨千頴賀茂別雷神社境内諸郷の復元的研究
安元健農学博士海洋生物毒の化学とそれらの毒物の海洋生態系における動態解析
第95回2005年6月13日加藤和也理学博士数論幾何学の研究
第96回2006年7月3日成宮周医学博士プロスタグランジン受容体の研究
第97回2007年6月11日秀村選三経済学博士幕末薩摩藩の農業と社会―大隅国高山郷士守屋家をめぐって―
審良靜男医学博士自然免疫による病原体認識とシグナル伝達
第98回2008年6月9日諸熊奎治工学博士分子の構造・機能・反応設計に関する理論的研究
第99回2009年6月1日村上哲見文学博士宋詞に関する研究
江口徹理学博士数理物理学的な手法による素粒子論の研究
第100回2010年6月21日表章文学博士能楽史の研究
山中伸弥医学博士人工多能性幹細胞(iPS 細胞)の研究樹立
第101回2011年6月20日佐竹明神学博士ヨハネの黙示録」に関する研究
宮田秀明工学博士船舶の非線形造波に関する研究
第102回2012年6月4日吉川一義文学博士「Proust et l'art pictural」(『プルーストと絵画芸術』)
難波啓一工学博士生体超分子の立体構造と機能の解明
第103回2013年6月17日松浦純文学修士「Martin Luther: Erfurter Annotationen 1509-1510/11」(『マルティン・ルター:エルフルト期注記集 1509-1510/11』)
十倉好紀工学博士強相関電子材料の物性研究
第104回2014年7月7日赤﨑勇工学博士高品質GaN系窒化物半導体単結晶の創製とp–n接合青色発光デバイスの発明
第105回2015年6月1日細野秀雄工学博士無機電子機能物質の創製と応用に関する研究
第106回2016年6月27日森和俊薬学博士小胞体ストレス応答の発見と解明
第107回2017年6月12日長谷川昭理学博士沈み込み帯のテクトニクスに関する地震学的研究
第108回2018年6月25日松村剛パリ第4大学博士
(フランス語学)
「Dictionnaire du français médiéval」(『中世フランス語辞典』)
豊島近理学博士原子構造に基づくイオンポンプ作動機構の解明
第109回2019年6月17日藤田誠工学博士結晶スポンジ法—X線構造解析の革新と分子科学技術への展開
第110回2020年斎藤通紀医学博士生殖細胞の発生機構の解明とその試験管内再構成

脚注

  1. "The Imperial Prize, Japan Academy Prize, Duke of Edinburgh Prize", Award of Prizes | The Japan Academy, Japan Academy.

関連項目

外部リンク

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