家庭菜園

家庭菜園(かていさいえん)とは、自宅や市民農園野菜果物などの栽培をおこなう趣味の一つ。英語のキッチン・ガーデン、フランス語のポタジェなどは、野菜やハーブなどで成形されたのことで、実用だけでなく美観も備える。

リンデンのキッチンガーデン (1805)
ベンラス城のキッチンガーデン
家庭菜園で採れた野菜。大きさや形状は不揃いだが、費用を安く抑えられる利点がある。

キッチンガーデンフランス語: jardin potager Potager )は、かつて風格のあるキッチンを提供する果物野菜の庭の名前。これらは園芸農場であるが、レジャーガーデンはレクリエーションに使用された。家庭菜園は、中世修道院庭園の伝統的な園芸知識に従って、荘厳な料理人、菓子職人、および薬剤師に野菜、果物、ハーブ、および薬用植物を提供。

概要

自宅の空き地ベランダ(プランター、容器)や、市民農園を借りて野菜果物などの栽培をおこなう。節約のために行われる場合もある。

なお営利目的で行われる野菜などの栽培は、一般に農業と呼ばれる。

家庭菜園またはポタージャー

フランス、ヴィランドリーの整形式なポタージャー

西洋で伝統的な家庭菜園はポタージャーとしても知られているが、季節的に使われるスペースで、他の住宅菜園 - 観賞用の植物や芝生地 - とは別の場所であり、こうした家庭菜園は通常正方形または長方形をした古い家族経営の農園のミニチュア版とみられるが、家庭菜園はその歴史だけでなくそのデザインにおいても異なっている。

家庭菜園は観賞用オールシーズン風景の中心的な特徴となることができるランドスケープ的特徴を備えているが、控え目な野菜プロット以上のものではない。そでではハーブ野菜果物そしての源でまた構造化された庭空間、反復的な幾何学模様に基づくデザインである。

家庭菜園は一年中視覚的な魅力を持ち、恒久的な多年生 植物一年生植物の周り(または間)木本植栽を組み込むことができる。

屋敷畑

日本の家庭で自家消費するための作物を作る耕作地を屋敷畑という[1]。地域によって「センザイバタ」「サエンバ」「カドノハタケ」など様々な呼称で呼ばれている。屋敷と地続きの土地の片隅や、換金作物を作る畑や田の隣の空いたスペース、河川敷などの片隅など、屋敷から離れた隙間的な土地で行われる場合も多い[1]農家に限らず、漁村などでも二次的な作業として行われている。

屋敷畑の起源は弥生時代にまで遡ることができ、江戸時代には農民だけでなく武士階級の屋敷内にも畑があった[1]柳田國男は『カイトの話』の中で、屋敷畑を家屋に付随した最も原初的な耕地として紹介した。宮本常一は、年貢米を作るための水田が「公的な感じ」のする耕作地であるのに対し、屋敷畑はより個人的な所有観念が強い土地であると指摘している[1]

市民農園

おもに都市部の市民レクリエーション、自家消費用の野菜等の生産栽培、高齢者の生きがいづくりなど、多様な目的で耕作する小規模の農地と、農家地方自治体農業協同組合などが遊休農地を土地所有者から借り受け、休憩所・農具舎等を整備し、貸し付ける方法をとる農園タイプや、一定の面積に区分された農地を主体とするタイプがある。

野放図な農地の転売や転用を防ぐために、長らく農園の開設が規制されてきたが、構造改革特区および2004年以降の全国展開により、農家自身やNPO法人なども開設者として認められるようになった。なお、市民農園の農作物は、自家消費用であり、販売といった営利目的としないことが求められる。

平成25年、農林水産省は「都市部における農地の減少を食い止める」「都市住民の「農」のある暮らしへのニーズにこたえる」「災害時の避難場所を確保する」ことを目的に市民農園の拡大方針を定めた。政策目標として平成23年度には15万区画であった市民農園を平成29年度には20万区画まで拡大することをうたっている。

歴史

歴史的に有名な、アロットメントは、19世紀前半にイギリスに設けられた市民農園である[2]。食糧不足の時代に低所得層の自給自足手段として作られ、第二次世界大戦時には土地の有効活用として政府が「Dig for victory(勝利のために掘れ)」と促したこともあった[3]。その後、農薬化学肥料を使う農法を嫌う人々の利用が増え、低所得層だけでなく、多様な層が利用するに至った[3]

日本市民農園が設けられたのは明治時代の末期で、東京・滝の川に種苗商が開園したのが最初である。その後、京都、境などに設けられた。太平洋戦争中には、食料自給の目的で、芋類、穀物類などが栽培され、戦後も食料不足のために、食料自給のため続けられた。現在のように趣味として普及するようになったのは、昭和30年後半頃であり、農地法規制を守りながら使用していた。その後昭和50年頃に、農林水産省の通達によって、レクリエーション農園の設置が認められて、地方公共団体による市民農園として全国的に普及していった。

フランスでは、例えばヴェルサイユ宮殿王の菜園(ポタジエ・デュ・ロワ)に、1678年に芸術作品として設計した数多くの家庭菜園ジャン=バティスト・ド・ラ・クインティニーがバロック時代にあったパルテールや刺繍、園路交差にある境や噴水流域で縁取られている。 クインティニーでは最初の季節果物の1つとして6月中旬にすでに数百種類のイチジクが、3月にイチゴが収穫される。1月にはレタスが収穫された。

イングランドでは、このアイデアはビクトリア朝の偉大な庭園で再開された。 サセックスのウェスト・ディーンの庭園は、復元されたビクトリア朝のポタージャの良い例となっている。

ポタージャは近年ますます人気が高まっており、たとえば、英国王立園芸協会 チェルシーフラワーショーなどで紹介されている[4]。バロネス・デ・ローレンス・Bosmeletは、チェルシーフラワーショーで「シエル・アンアーク」ポタージャが2007年に金メダルを獲得した[5]

ドイツでは、リンデンの家庭菜園は、 ハノーファー ライネシュロスにある カレンベルク公国 グエルフ支配の1637年の居住以来、住民のための喜びと家庭菜園として、 ジョージ・ウィルヘルム公爵によって1652年に設けられた。この機能は1866年にハノーバー王国終焉まで維持された。その後、その場所(現在の道路Fössestraße、Dieckbornstraße、DavenstedterStraßeの間のエリアにあった)に貨物ヤードを建て、住宅を建てた。今日、 ハノーファー地方のリンデンミッテにある広場アムクーヘンガルテンだけが、以前の使用を思い出させるが、こちらは家庭菜園のキャバレー劇場である。

ヘレンハウゼンのベルクガルテンは 1666年にヨハン・フリードリッヒ公爵が家庭菜園として設けたもの。1750年から、リンデンの家庭菜園がこの仕事を完全に引き継ぎ、ベルクガルテンは植物園になる。

ゲーラの家庭菜園は若きロイス王子のかつての住居だったオスターシュタイン城への供給のため17世紀に設けられ、 2007年のフェデラルガーデンショーの際に、バロック式の楽園に再設計された。

シュヴェリーンの家庭菜園はシュヴェリーン城の家庭菜園で、 2009年連邦園芸ショーの 7つの庭園の1つであった。

脚注

  1. 森隆男(編)『住の民俗事典』 柊風舎 2019年 ISBN 978-4-86498-061-6 pp.288-289.
  2. http://homepage3.nifty.com/jkg-ken/contents4.html
  3. 『British Englishイギリス人はこう話す・こう考える』光田達矢、ベレ出版, 2008, p96
  4. Sally Gregson: Ornamental Vegetable Gardening. Crowood Press, Ramsbury 2009, S. 65 f.
  5. Potager Arc en Ciel de Bosmelet; a garden in the north of France

関連項目

参考文献

  • 家庭菜園の手引き - 自然農法国際研究開発センター
  • 家庭菜園のすすめ 宮崎県畜産協会
  • 家庭菜園BOOK - Yanmar
  • メリーリン・アボット: ガーデンズ・オブ・プレンティ:アート・オブ・ザ・ポタージャー・ガーデン。 カイルキャシー、2011、 ISBN 978-1-85626-367-2
  • Jennifer R. Bartley: 新しいキッチンガーデンの設計:アメリカのポテジャーハンドブック。 Timber Press、2006、 ISBN 978-0-88192-772-6
  • Rosalind Creasy: 食用フレンチガーデン。 ペリプラス、ボストン1999、 ISBN 978-9625932927
  • ウィルフリード・ダルケとジョニー・ピーター: リンデンの王室の台所。 カルティエシリーズ「リンデナージェシヒツブラッター」、ハノーバー2004、 ISSN 1614-0664
  • ジョシー・マーティ=デュフォー: ・ポタージェ・デュ・モイェン年齢:クレズ・ヴォトレ・ジャーディン・メディディバル Editions Autres Temps、2006、 ISBN 978-2845212374
  • サリー・グレッグソン: 観賞用野菜のガーデニング。 Crowood Press、Ramsbury 2009、 ISBN 978-1-84797-117-3
  • ルイーザ・ジョーンズ: フランス野菜のガーデニングの芸術。 職人、1995。 ISBN 978-1-885183-09-5
  • Joy Larkcom: 創造的な野菜のガーデニング。 Mitchell Beazley、2008年、 ISBN 978-1-84533-390-4 (実用的なヒントと調理法)。

関連文献

  • 「無農薬のミニ菜園入門」中山草司 1988/04 大泉書店 
  • 「『週末農業』を楽しむ本」自然と親しみ、自給をめざす新しいライフスタイルの提案 宮崎隆典 2001/04 実務教育出版
  • 「都会人ののらしごと」畑の借り方教えます 2005/11 誠文堂新光社 
  • 「農薬に頼らない家庭菜園 コンパニオンプランツ」木嶋利男 2006/02 家の光協会
  • 「畑のある生活」伊藤志歩 2008/07 朝日出版社
  • 「糸井重里のつくって食べようおいしい野菜」永田照喜治・他 2005/04 NHK出版 
  • 「オーガニックな野菜づくり」農薬・化学肥料を使わない 千成 真奈美 2009/02 家の光協会
  • 「家庭菜園の土づくり入門」もっと野菜がおいしくなる 村上睦朗他 2009/12 家の光協会
  • 「ビオファームまつきの野菜塾」手をかけすぎずに有機でおいしく 松木一浩 
  • 「パーマカルチャー菜園入門」自然のしくみをいかす家庭菜園 設楽清和 2010/08 家の光協会
  • 「藤田智の野菜づくり徹底Q&A」趣味の園芸 やさいの時間 藤田智 2010/09 NHK出版
  • 「だれでもできるはじめての野菜づくり決定版」麻生健 2011/02 家の光協会
  • 「堆肥の作り方・使い方」イラスト 基本からわかる 後藤逸男 2012/02 家の光協会
  • 「苗で始める失敗しない野菜づくり」はじめてでも, 市民農園でも、プランターでも 有機・無農薬!2011/04 学習研究社
  • 「イエナカ菜園」室内ではじめるキッチンガーデン 鈴木あさみ 2012/05 日東書院本社
  • 「堆肥づくりハンドブック」有機・無農薬の野菜づくりに必携―おいしい野菜ができる 野菜だより編集部 2012/08 学研パブリッシング
  • 「決定版 有機・無農薬のおいしい野菜づくり」(暮らしの実用シリーズ) 木嶋利男(監修) 2012/09 学研パブリッシング
  • 「畑道楽」畑をはじめる。プレミア世代の悠的生活 50代、60代からがもっと楽しい! タツミムック 2013/03 辰巳出版
  • 「有機・無農薬栽培で安全安心な野菜づくり 」佐倉教授「直伝」! 小さな菜園でも収穫倍増 佐倉朗夫 2014/04 講談社
  • 「はじめての有機野菜づくり」佐倉朗夫 2014/03 主婦の友社
  • 「確実に稼げる 週末農業」副業入門 岡本恭子 2014/05 ソーテック社
  • 「有機・無農薬で家庭菜園」いちばん親切でよくわかる 阿部豊 2015/03 家の光協会
  • 「有機野菜ビックリ教室」米ヌカ・育苗・マルチを使いこなす 東山 広幸 2015/05 農山漁村文化協会

外部リンク

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