女性政治家

2010年の各国の女性による政治参加を示す世界地図

女性政治家(じょせいせいじか)とは政治に職業として携わっている女性のこと。

概説

世界の各文明における女性の政治的な地位は男性に劣後することがほとんどで、女性が政治に参与することは世襲血縁による場合を除いて稀であった。

20世紀になり、人間の自由・平等性に基づいて女性の社会進出が必然の帰結となると、女性の政治参与が次第に見られるようになった。さらに、20世紀後期になると、欧米諸国では、女性政治家の存在は極めて自然のこととなった。

欧米諸国の中には、女性の進出を担保するため、クオータ制(役職の一定割合を女性に割り当てる制度)を採用している国もある。フランスでは国会議員を男女同数にする仕組みになっている。

平等権を基礎とする民主主義社会では、女性政治家を特別視する必要はなく、男女に関わらず政治家としての能力・実績が問われるべきであろうが、政治の世界において男性優位の風土を持つ傾向が強い国ほど、男性政治家でないことが注目されることになる。

選挙に立候補をする女性候補の中には、何かと「女性であること」「女性の代表」を売りにしたり、女性の地位向上を声高らかに叫ぶ者もいる。一方で、女性有権者のみに限定された制度で選出された政治家でない限り男女区別ない選挙制度で当選した政治家は男女云々よりも有権者の代表として相応しいかを判断すべきとして、そのような主張をする女性候補へ反発する人もいる。また、「女性の代表」を売りにした候補者が乱立した結果、全滅し、結局男性候補者のみ当選したというケースもある。

女性国会議員

2013年10月25日時点において、女性国会議員比率の世界平均は21.5%である。[1]

2013年4月1日時点における、189箇国の下院又は一院制の各国国会における女性議員比率の上位10箇国は、下の表のとおりである。[2]新たな数値は、International IDEA, Stockholm University and Inter-Parliamentary Unionのウェブサイトにおいて2014年2月分まで入手可能である。http://www.quotaproject.org/quotas.cfm

順位国名下院又は一院制上院
1ルワンダ56.3%38.5%
2アンドラ50%
3キューバ48.9%
4スウェーデン44.7%
5セーシェル43.8%
6セネガル42.7%
7フィンランド42.5%
8南アフリカ共和国42.3%32.1%
9ニカラグア40.2%
10アイスランド39.7%

主な英語圏の民主主義国は、主に上位40 %に位置する。ニュージーランドは女性国会議員比率が32.2%で189箇国中27位、オーストラリアは下院が同24.7%及び上院が同38.2%で46位、カナダは下院が同24.7%及び上院が同37.9%でオーストラリアと並び46位である。イギリスは下院が同22.5%及び上院が同22.6%で58位、アメリカ合衆国は下院が同17.8%及び上院が同20.0%で78位である。[2]これら各国国会における下院及び上院が、全て民主的に選出された訳ではない点に注意する必要性がある。例えば、カナダの上院議員は首相により指名される。

日本

下の表は、日本の衆参両院における女性議員の議席数及び議員定数に対する女性議員の議席数の割合を示す。衆議院の表では総選挙における女性議員の当選議席数を記載し、参議院の表では通常選挙後の国会召集日における議席数を記載している。

日本の女性衆議院議員の割合
議席数議員定数割合
221946年394668.4%
231947年154663.2%
241949年124662.6%
251952年94661.9%
261953年94661.9%
271955年84671.7%
281958年114672.4%
291960年74671.5%
301963年74671.5%
311967年74861.4%
321969年84861.6%
331972年74911.4%
341976年65111.2%
351979年115112.2%
361980年95111.8%
371983年85111.6%
381986年75121.4%
391990年125122.3%
401993年145112.7%
411996年235004.6%
422000年354807.3%
432003年344807.1%
442005年434808.9%
452009年5448011.3%
462012年384807.9%
472014年454759.5%
482017年4746510.1%
日本の女性参議院議員の割合
議席数議員定数割合
11947年102504.0%
21950年122504.8%
31953年152506.0%
41956年152506.0%
51959年132505.2%
61962年162506.4%
71965年172506.8%
81968年132505.2%
91971年132515.2%
101974年182527.1%
111977年162526.3%
121980年172526.7%
131983年182527.1%
141986年222528.7%
151989年3325213.1%
161992年3725214.7%
171995年3425213.5%
181998年4325217.1%
192001年3824715.4%
202004年3324213.6%
212007年4224217.4%
222010年4424218.2%
232013年3924216.1%
242016年5024220.7%
252019年5624522.9%

アメリカ合衆国

1977–2006年の米国上下両院における女性議員数

2012年の連邦議会選挙で下院は77人が当選して、上院は20人が当選して過去最大の女性議員が誕生した[3]

2019年、女性は下院が102人、上院が25人になった [4]

イギリス

2017年イギリス総選挙では、200人が女性の国会議員になった[5]

女性の政治要職

欧米諸国では女性政治家が多くなるに従って、女性が閣僚などの女性の政治要職となることも珍しいことではなくなった。20世紀末には、女性が首相を務めたり、閣僚の半数(若しくは半数近く)を女性が占めることもごく普通のことになった。そうした流れは欧米諸国だけではなくイスラム圏にも波及し、何人かの女性が閣僚または首相に就任している。

また、アジア諸国でも大統領や首相といった要職を占める女性の例は多い。ただしアジア諸国の政界では世襲・縁戚による女性閣僚や女性首相の例が多く、女性の地位の向上とは必ずしも結びついていない。

日本でも女性閣僚は誕生しているが、他の欧米先進国に比べると非常に少ない。日本において、女性が内閣総理大臣になった例はまだない[6]が、国会議長、第二政党党首都道府県知事になった例はある。また他の主要国ではアメリカ合衆国大統領フランス共和国大統領など、過去に女性の大統領・首相経験者が一人もいない国はいくつかある(ただし、フランスではエディット・クレッソン、筆頭閣僚が存在しないアメリカ合衆国において相当する職として国務長官を位置づけるならば、マデレーン・オルブライトコンドリーザ・ライスヒラリー・クリントンの3人が就任している)。また地方政治ではネリー・ロスが1925年にワイオミング州知事に選出されアメリカ初の女性州知事が誕生し、その後も多くの女性州知事が誕生している。

現在の各国女性指導者

2019年1月時点において任期中の各国女性指導者

任期開始役職名前国・地域
2005年11月22日首相アンゲラ・メルケルドイツ
2009年1月6日首相シェイク・ハシナバングラデシュ
2013年10月16日首相エルナ・ソルベルグノルウェー
2014年9月22日首相エヴァ・コパチポーランド
2014年11月19日首相ニコラ・スタージョンスコットランド
2015年3月21日首相サーラ・クーゴンゲルワナミビア
2016年4月6日国家顧問アウンサンスーチーミャンマー
2016年5月20日総統蔡英文中華民国台湾
2017年9月14日大統領ハリマ・ヤコブシンガポール
2017年10月26日首相ジャシンダ・アーダーンニュージーランド
2017年11月30日首相カトリーン・ヤコブスドッティルアイスランド
2019年6月27日首相メッテ・フレデリクセンデンマーク
2019年12月10日首相サンナ・マリンフィンランド
2020年12月23日大統領マイア・サンドゥモルドバ

日本の女性閣僚の一覧

内閣女性閣僚役職在任期間政党
池田内閣中山マサ厚生大臣1960年7月19日 - 1960年12月8日自由民主党
近藤鶴代科学技術庁長官1962年7月18日 - 1963年7月18日自由民主党
中曽根内閣石本茂環境庁長官1984年11月1日 - 1985年12月28日自由民主党
海部内閣森山真弓環境庁長官1989年8月10日 - 1989年8月25日自由民主党
内閣官房長官1989年8月25日 - 1990年2月28日
高原須美子経済企画庁長官1989年8月10日 - 1990年2月28日民間人
山東昭子科学技術庁長官1990年12月29日 - 1991年11月5日自由民主党
宮沢内閣森山真弓文部大臣1992年12月12日 - 1993年8月9日自由民主党
細川内閣赤松良子文部大臣1993年8月9日 - 1994年4月28日民間人
久保田真苗経済企画庁長官1993年8月9日 - 1994年4月28日日本社会党
広中和歌子環境庁長官1993年8月9日 - 1994年4月28日公明党国民会議
羽田内閣赤松良子文部大臣1994年4月28日 - 1994年6月30日民間人
浜四津敏子環境庁長官1994年4月28日 - 1994年6月30日公明党
村山内閣田中眞紀子科学技術庁長官1994年6月30日 - 1995年8月8日自由民主党
橋本内閣長尾立子法務大臣1996年1月11日 - 1996年11月7日民間人
石井道子環境庁長官1996年11月7日 - 1997年9月11日自由民主党
小渕内閣野田聖子郵政大臣1998年7月29日 - 1999年10月5日自由民主党
清水嘉与子環境庁長官1999年10月5日 - 2000年4月5日自由民主党
森内閣清水嘉与子環境庁長官2000年4月5日 - 2000年7月4日自由民主党
扇千景建設大臣2000年7月4日 - 2001年1月5日保守党
運輸大臣2000年12月5日 - 2001年1月5日
北海道開発庁長官2000年12月5日 - 2001年1月5日
国土庁長官2000年12月5日 - 2001年1月5日
国土交通大臣2001年1月6日 - 2003年9月22日
川口順子環境庁長官2000年7月4日 - 2001年1月6日民間人
環境大臣2001年1月6日 - 2001年4月26日
小泉内閣森山真弓法務大臣2001年4月26日 - 2003年9月22日自由民主党
田中眞紀子外務大臣2001年4月26日 - 2002年1月30日自由民主党
川口順子環境大臣2001年4月26日 - 2002年9月30日民間人
外務大臣2002年2月1日 - 2004年9月27日
遠山敦子文部科学大臣2001年4月26日 - 2003年9月22日民間人
小池百合子環境大臣2003年11月19日 - 2006年9月26日自由民主党
沖縄及び北方対策担当大臣2004年9月27日 - 2006年9月26日
小野清子国家公安委員長2003年9月22日 - 2004年9月27日自由民主党
青少年育成及び少子化対策担当大臣2003年9月22日 - 2004年9月27日
食品安全担当大臣2003年9月22日 - 2004年9月27日
南野知恵子法務大臣2004年9月27日 - 2005年10月30日自由民主党
青少年育成及び少子化対策担当大臣2004年9月27日 - 2005年10月30日
猪口邦子少子化担当大臣2005年10月30日 - 2006年9月26日自由民主党
男女共同参画担当大臣2005年10月30日 - 2006年9月26日
第1次安倍内閣大田弘子経済財政政策担当大臣2006年9月26日 - 2007年9月25日民間人
高市早苗沖縄・北方対策担当大臣2006年9月26日 - 2007年8月27日自由民主党
科学技術政策担当大臣2006年9月26日 - 2007年8月27日
イノベーション担当大臣2006年9月26日 - 2007年8月27日
少子化・男女共同参画担当大臣2006年9月26日 - 2007年8月27日
食品安全担当大臣2006年9月26日 - 2007年8月27日
小池百合子防衛大臣2007年7月4日 - 2007年8月27日自由民主党
上川陽子少子化対策担当大臣2007年8月27日 - 2007年9月25日自由民主党
男女共同参画担当大臣2007年8月27日 - 2007年9月25日
福田内閣大田弘子経済財政政策担当大臣2007年9月26日 - 2008年8月2日民間人
上川陽子少子化対策担当大臣2007年9月26日 - 2008年8月2日自由民主党
男女共同参画担当大臣2007年9月26日 - 2008年8月2日
野田聖子消費者行政担当大臣2008年8月2日 - 2008年9月24日自由民主党
中山恭子拉致問題担当大臣2008年8月2日 - 2008年9月24日自由民主党
麻生内閣野田聖子消費者行政担当大臣2008年9月24日 - 2009年9月16日自由民主党
科学技術政策担当大臣2008年9月24日 - 2009年9月16日
食品安全担当大臣2008年9月24日 - 2009年9月16日
小渕優子少子化対策担当大臣2008年9月24日 - 2009年9月16日自由民主党
男女共同参画担当大臣2008年9月24日 - 2009年9月16日
鳩山由紀夫内閣千葉景子法務大臣2009年9月16日 - 2010年6月8日民主党
福島瑞穂少子化対策担当大臣2009年9月16日 - 2010年5月28日社会民主党
菅直人内閣千葉景子法務大臣2010年6月8日 - 2010年9月17日民主党
蓮舫行政刷新担当大臣2010年6月8日 - 2011年6月27日民主党
岡崎トミ子国家公安委員長2010年9月17日 - 2011年1月14日民主党
野田内閣蓮舫行政刷新担当大臣2011年9月2日 - 2012年1月13日民主党
小宮山洋子厚生労働大臣2011年9月2日 - 2012年10月1日民主党
田中眞紀子文部科学大臣2012年10月1日 - 2012年12月26日民主党
第2次・第3次・第4次安倍内閣稲田朋美規制改革担当大臣2012年12月26日 - 2014年9月3日自由民主党
防衛大臣2016年8月3日 - 2017年7月28日自由民主党
森雅子少子化対策担当大臣2012年12月26日 - 2014年9月3日自由民主党
松島みどり法務大臣2014年9月3日 - 2014年10月20日自由民主党
小渕優子経済産業大臣2014年9月3日 - 2014年10月20日自由民主党
高市早苗総務大臣2014年9月3日 - 2017年8月3日自由民主党
山谷えり子国家公安委員長2014年9月3日 - 2015年10月7日自由民主党
有村治子少子化対策担当大臣2014年9月3日 - 2015年10月7日自由民主党
消費者及び食品安全担当大臣2014年9月3日 - 2014年12月24日自由民主党
国家公務員制度担当大臣2014年9月3日 - 2015年10月7日自由民主党
規制改革担当大臣2014年9月3日 - 2015年10月7日自由民主党
上川陽子法務大臣2014年10月21日 - 2015年10月7日自由民主党
2017年8月3日 - 2018年10月2日
丸川珠代環境大臣2015年10月7日 - 2016年8月3日自由民主党
五輪担当大臣2016年8月3日 - 2017年8月3日自由民主党
島尻安伊子沖縄・北方対策担当大臣2015年10月7日 - 2016年8月3日自由民主党
野田聖子総務大臣2017年8月3日 - 2018年10月2日自由民主党
片山さつき地方創生担当大臣2018年10月2日 - 2019年9月11日自由民主党
高市早苗総務大臣2019年9月11日 - 2020年9月16日自由民主党
橋本聖子五輪担当大臣2019年9月11日 - 2020年9月16日自由民主党
森まさこ法務大臣2019年10月31日 - 2020年9月16日自由民主党
菅義偉内閣上川陽子法務大臣2020年9月16日 -自由民主党
橋本聖子五輪担当大臣2020年9月16日 - 2021年2月18日自由民主党
丸川珠代五輪担当大臣2021年2月18日 -自由民主党

日本の女性国会議長の一覧

女性国会代表役職期間
土井たか子衆議院議長1993年8月6日 - 1996年8月23日
扇千景参議院議長2004年7月30日 - 2007年7月28日
山東昭子参議院副議長2007年8月7日 - 2010年7月30日
山東昭子参議院議長2019年8月1日 -

日本の女性知事の一覧

女性知事役職期間
太田房江大阪府知事2000年2月6日 - 2008年2月5日
潮谷義子熊本県知事2000年4月16日 - 2008年4月15日
堂本暁子千葉県知事2001年4月5日 - 2009年4月4日
高橋はるみ北海道知事2003年4月23日 - 2019年4月22日
嘉田由紀子滋賀県知事2006年7月20日 - 2014年7月19日
吉村美栄子山形県知事2009年2月14日 -
小池百合子東京都知事2016年8月2日 -

脚注

  1. Women in Parliaments: World and Regional Averages”. Inter-Parliamentary Union. 2013年10月25日閲覧。
  2. Women in Parliaments: World Classification”. Inter-Parliamentary Union. 2013年5月7日閲覧。
  3. “オバマ効果?女性議員数が過去最高となる米国”. (2012年12月25日). http://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887324475804578200632534332700 2015年1月4日閲覧。
  4. 米議会、女性議員最多の127人 人種も多様、日系は減る (2019年1月4日). 2019年1月19日閲覧。
  5. 【英総選挙】LGBTQや女性の国会議員が多く当選、女性は200人、LGBTQは45人 (2017年6月12日). 2019年1月19日閲覧。
  6. ただし、1989年には参議院において当時日本社会党委員長だった土井たか子が首相に指名されている(衆議院の優越により、衆議院で指名された海部俊樹が実際に首相へ就任)。

関連項目

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