大型シノプティック・サーベイ望遠鏡

大型シノプティック・サーベイ望遠鏡 (Large Synoptic Survey Telescope: LSST) は、チリパチョン山に建設が予定されている、口径8.4mの可視光赤外線望遠鏡である。アメリカの22の大学・研究所・企業がLSST Corporationを結成して建設・運営に当たる。2020年のアメリカ天文学会の冬季年会において、望遠鏡の名称が Vera C. Rubin Observatory (VRO) となることが正式に発表された。これはアメリカ合衆国の天文学者ヴェラ・ルービンに因んだ命名である[1]

大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST)
運用組織 LSST Corporation
設置場所 チリ
名の由来 ヴェラ・ルービン 
座標 南緯30度14分41秒 西経70度45分02秒
観測波長 可視光・赤外線
建設 2015年 –2021年  (2015年 –2021年 )
観測開始年 2020年(予定)
形式 主焦点
口径 8.4メートル
開口面積 35平方メートル
焦点距離 10.3メートル(主焦点)
架台 経緯台
ウェブサイト http://www.lsst.org/lsst

概要

3.2ギガピクセルの巨大なカメラを使用し、9.6平方度という超広視野を達成する。この広視野のおかげで、望遠鏡設置場所から観測できる全ての天域の写真をわずか3晩で撮り終えることができる。これを繰り返すことにより、これまで十分に観測できなかったような短い時間スケールで変動する天体 (超新星爆発地球近傍小惑星など) を詳細に観測することが可能になる。

望遠鏡設置の目的としては、広視野を活かしたダークエネルギーの分布の解明、未知の太陽系天体の探査、突発天体の観測、および銀河系掃天観測が挙げられている。2014年の公的予算での建設開始、2020年の観測開始を目指して、計画の検討や要素技術の開発が進んでいる[2]

3.2ギガピクセルのカメラから出力されるデータは一晩で15テラバイト、1年で6.8ペタバイトに達すると見られている。このような巨大なデータをうまく扱うために、GoogleがLSST計画に参加している。

建設予定地の選定

2003年から建設予定地の検討が始まった。チリ中部のパチョン山ラスカンパナス天文台メキシコのサン・ペドロ・マルティル、スペインカナリア諸島ラ・パルマ島の4地点が候補とされた。その後の検討でラ・パルマ島がまず候補から除外され、天候のほかにも地質学的・環境的な面を考慮し、最終的にパチョン山に決定された。

パチョン山には、ジェミニ天文台の口径8.1mジェミニ南望遠鏡、口径4.2mのSOAR望遠鏡が設置されている。また近隣には、アメリカ国立光学天文台セロ・トロロ汎米天文台がある。

建設資金

この望遠鏡の建設には多額の資金が必要となる。これまでにLSSTに拠出が決まった資金は以下のとおりである。

  • 2005年1月 - アリゾナ大学スチュワート天文台から、主鏡開発のために230万ドル
  • 2005年9月 - 全米科学財団(NSF)から、望遠鏡の設計と要素技術開発のために1420万ドル
  • 2007年7月 - W. M. ケック財団 とTABASGO財団から、カメラの開発のために300万ドル
  • 2008年1月 - ビル・ゲイツチャールズ・シモニーから、主鏡と2枚の副鏡の製作費用として3000万ドル

参考文献

  1. NSF-supported observatory renamed for astronomer Vera C. Rubin | NSF - National Science Foundation”. アメリカ国立科学財団 (2020年1月7日). 2020年1月10日閲覧。
  2. LSST Timeline”. LSST Corporation (2012年1月25日). 2012年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月25日閲覧。

関連項目

学問・技術

施設

関連プロジェクト

  • パンスターズ LSSTと同様の広域サーベイ観測を行うプロジェクト。4台の望遠鏡がハワイに建設される予定。

外部リンク

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