国語辞典

国語辞典(こくごじてん)は、その国の言語(国語)を対象とした一言語辞典漢字文化圏日本中華民国(中華人民共和国成立前の中国およびそれ以降の台湾)、大韓民国にはこの名の辞典が見られる。日本では通常日本語のものを指し、単語連語などを規則的に(主に五十音順に従って)排列し、説明した書物をいう。見出しに立てた言葉仮名遣いアクセント漢字表記、品詞、使用分野、意味、用法、さらには類義語対義語、用例、文献上の初出例などの情報が示される。国語辞書日本語辞典日本語辞書ともいう。

現在は、約50万語を収める最大規模の『日本国語大辞典』(小学館)をはじめ、中型辞典(10万〜20万語規模)や、小型辞典(6万〜10万語規模)が編纂され、特色を競っている。電子辞書やウェブ辞書、モバイルアプリケーションによる辞書も利用されている。デジタル版の内容は大多数が書籍版に基づく。デジタル版は、書籍版と違い全体を一目で見渡せる一覧性には乏しいものの、コンピュータによる多様な検索を可能とし、携帯性に優れるなどの利点がある。

構成

見出し

一般的に国語辞典の見出しは「こくご【国語】」「ディクショナリー【dictionary】」のように「仮名見出し【表記欄】」の形で書かれる。それぞれの詳細は以下の通り。

仮名見出し
  • 活字はアンチック体ゴシック体といった太めのものが用いられる。
  • 仮名遣いは「現代仮名遣い」が用いられる。敗戦前は歴史的仮名遣いが用いられたが、表音式と呼ばれる表記法を採用したものが現れ、1946年の現代かなづかい実施後も多く見られた。表音式仮名見出しは、発音が同じ語でも書き分ける場合が多い歴史的仮名遣いの難しさに対処する方式であり、仮名遣いを調べるための手段でもあったが、統一されたものではない。『広辞苑』第4版が仮名見出しを全面的に現代仮名遣いとしたことで、以降新たに刊行された主要な辞典から表音式見出しは姿を消した。
  • 和語漢語には平仮名を用いる(例・ごい【語彙】)。和語を平仮名、漢語を片仮名にするものもある(『新潮国語辞典』『新潮現代国語辞典』)。外来語には片仮名を用い、外来語の長音には長音符「ー」を用いる(例・ボキャブラリー【vocabulary】)。活用のある語は原則として終止形を見出し語とする。
  • ハイフンや中黒といった約物(記号)で語構成や語幹・活用語尾の区切りを示すものが多い。
表記欄
すみ付き括弧(【 】)または角括弧([ ])でくくるものが多い。現代の辞書に使用される漢字は常用漢字または人名用漢字による字体整理に従い、新字体を基本とする。送り仮名は「送り仮名の付け方」による。「許容」により増減が認められる仮名を丸括弧でくくって示すことがある。(例・浮(か)ぶ〈本則は「浮かぶ」〉、行(な)う〈本則は「行う」〉)。多くの国語辞典では、漢字が常用漢字表にある字種(表内字)かそうでない字種(表外字)か、表内字の読みが常用漢字表に採用されたもの(表内音訓)かそうでない(表外音訓)か、熟字訓である場合に常用漢字表の付表に示されているかどうかを約物で示す。教育漢字または常用漢字に含まれる漢字の場合、書体を変えて教科書体で示すものもある。
外来語の原語・原綴
表記欄に外来語の原語・原綴を掲げる国語辞典もある。その場合、英語以外の語については言語名が注記されることも多い。現代中国語などの場合には、そのまま原語の漢字表記が置かれることもある。ラテン文字・漢字以外で表記される語は、通例ラテン文字に翻字されたものが原語として示される。なお原語から著しく乖離している場合や和製語の場合には別の括弧で注記することが多い。

語義がほぼ同じである場合は、見出しの表記が少々異なる語も一つの項にまとめられる。語義が異なる場合には別項とする(例・じてん【字典】、じてん【辞典】、じてん【事典】)。この処理は辞典や語によって異なることがある(例・だい-じてん【大字典・大辞典】)。

排列

近現代の多くの国語辞典は、項目を五十音順に排列する。明治より前の字引の類いはいろは順であり、近代にもいろは順のものがある。このほかローマ字排列のものもある。個々の辞典によって細部は異なるが基本的なルールはだいたい同じである。他の事典類では長音記号を無視したような順で並べるものが多いが、国語辞典では長音記号の発音に該当する母音があるものとするものが多い、といった違いがある。

  • 清音濁音半濁音については、そのまま清音、濁音、半濁音の順となる(例・はり【玻璃】、ばり【罵詈】、パリ【Paris】)。
  • 直音促音拗音については国語辞典により異なる。
    • 直音、促音・拗音の順とするもの(例・めつき【目付き】、めっき【鍍金】の順)。集文館『新選国語辞典』など。
    • 促音・拗音、直音の順とするもの(例・めっき【鍍金】、めつき【目付き】の順)。岩波書店『広辞苑』など。
  • 長音についても国語辞典により異なる。
    • 直上のカタカナの母音に相当する音が続いているものとみて扱うもの(例・アート【art】を「アアト」の位置に配置)。岩波書店『広辞苑』など。
    • 長音符を見出し語の配列には関係ないものとして扱うもの(例・アート【art】を「アト」の位置に配置)。集文館『新選国語辞典』など。
  • 複合語についても国語辞典により異なる。
    • 親項目に続けて配置するもの(例・「こくごきょういく【国語教育】」や「こくごしんぎかい【国語審議会】」を「こくご【国語】」の子項目としてその中に配置)。
    • 完全に独立項目とするもの(例・「こくごきょういく【国語教育】」や「こくごしんぎかい【国語審議会】」を「こくご【国語】」とは別項目として配置)。
  • 同音の場合の配列についても国語辞典により異なる。

歴史

近代以前

日本書紀によれば、日本人が手掛けた最初の辞書682年(天武天皇11年)に完成した『新字』といわれる(「三月の(略)丙午に、境部連石積等に命じて、更に肇(はじ)めて新字一部四十四巻を造らしむ」)。ただし、その内容は伝わらず、真偽は不明である。

日本で作られた現存最古の辞書は、空海の編纂になる『篆隷万象名義(てんれいばんしょうめいぎ)』(承和2年・835年以前成立)で、高山寺に唯一の古写本が伝わっている[1]。ただしこれは漢字に簡潔な漢文注を付したものである。和語(和訓)が載ったものとしては、『新撰字鏡』(寛平4年〜昌泰3年・892年900年)、『和名類聚抄』(承平4年・934年)、『類聚名義抄(るいじゅみょうぎしょう)』(11世紀末〜12世紀頃)、『色葉字類抄』(12世紀、鎌倉初期に増補して十巻本としたのが『伊呂波字類抄』)といった辞書が編まれたが、これらは厳密には漢籍を読むための漢和辞典もしくは漢字・漢語を知るための “和漢辞典” であると考えるべきで、現在の国語辞典の概念からは遠い。

15世紀になると、「節用集(せつようしゅう・せっちょうしゅう)」という、日常接する単語をいろは順に並べた「字引」形式の書物が広まった。漢字熟語を多数掲出して、それに読み仮名をつけただけのもので、もとより意味などの記述はない。それでも、日常の文章を書くためには十分であった。「節用集」の写本は多く現存し、文明本(文明6年・1474年頃成立)、黒本本、饅頭屋本、前田本、易林本などが知られる。江戸時代には「節用集」はますます広く利用され、辞書の代名詞となった。

近世には、石川雅望『雅言集覧』、太田全斎『俚言集覧』、谷川士清『和訓栞(わくんのしおり)』といった辞書が出た(以上が三大辞書といわれる)。『雅言集覧』はいわば古語辞典であるが、『俚言集覧』のほうは当時の俗語に焦点を当てたもので、今日の国語辞典の概念により近い。語をアカサタナ順に並べ、たまに出典や説明を付している。ただし『俚言集覧』が一般に広まるのは、明治になって、1899年に『増補俚言集覧』として刊行されて以降である。『和訓栞』は、見出し語の下に語釈・用例をかなり細かく示している(前編は古語雅語、中編は雅語、後編は方言俗語を収める)。刊行は非常に気長であった。前編が1777年に出たにもかかわらず、後編の完結はやはり明治になってからで、1887年のことである。

『言海』から第二次世界大戦まで

近代国語辞典の始まりは『言海』であると一般に認められている[2]。もっとも、その前段があった。

文部省編輯寮では『語彙』という辞書の編集が進められた[3]。ところが、1871年に「あ」の部[4]が成立した後、1884年に「え」の部[5]まで出たところで頓挫した。大槻文彦は、その原因を議論にのみ日を費やしたせいだとする[6]

1885年には近藤真琴編『ことばのその』、1888年1889年には高橋五郎編『和漢雅俗いろは辞典』、1888年には物集高見編『ことばのはやし』、1888年には高橋五郎編『漢英対照いろは辞典』が刊行されている。

『言海』は、『語彙』の失敗に鑑みて、文部省の命により[6]大槻文彦のほぼ独力によって編集が進められた。成稿の後、資金不足のため、しばらく文部省内に保管されたままだったが、1889年から1891年に私費で刊行された(当初は全4冊)。本文約1000ページに3万9000語を収録する初の本格的な小型国語辞典である。語釈もきわめて詳しく記された。後に吉川弘文館などから1冊本として刊行されるようになった。その後も印刷を重ね、1949年に第1000刷を迎えた。

大槻はこの辞書にほとんど全精力を注いだ。編纂中、幼い娘、そして妻を相次いで病気で亡くし、その悲嘆のうちに本書を刊行したと『言海』末尾の「ことばのうみ の おくがき」で述べた[6]

『言海』以降の主な辞書を以下に示す。

言海
大槻文彦による自費出版(1889年〜1891年)大槻文彦
日本大辞書
日本大辞書発行所(1892年〜1893年)山田美妙、中型
  • 口語体。アクセントのついた辞書。
日本大辞林
宮内省(1894年)物集高見
帝国大辞典
三省堂(1896年)藤井乙男・草野清民
日本新辞林
三省堂(1897年)林甕臣・棚橋一郎
ことばの泉
大倉書店(1898年〜1899年)落合直文
  • 初刊は和装5冊。1899年洋装1冊。収録語は約13万語で、古語・俗語・方言のほか固有名詞といった百科的なものに及び、出典・語源を挙げる。落合没後1908年に嗣子・落合直幸らが『大増訂日本大辞典ことばのいづみ補遺』1冊を刊行。
辞林
三省堂(1907年)金沢庄三郎
  • 同時代の言葉を多く取り入れたことが特徴。1911年改訂。『広辞林』『小辞林』『辞海』『明解国語辞典』など後に三省堂が刊行する諸辞典の祖に当たる。
大日本国語辞典
冨山房金港堂(1915年〜1919年)松井簡治上田万年[7]
  • 約20万語の本格的な辞書。『世界大百科事典』の該当項目は「規模が大きく編纂方針も整備され、のちの国語辞書の一つの範となった」と評し、『日本辞書辞典』は「最初の、近代的大型国語辞典」とする。松井はこの辞典のために、後に静嘉堂文庫に収蔵されることになる多数の資料を集め、語釈の筆を執るに当たって「一日三十三語」という目標を立てて実行したという。のちの『日本国語大辞典』につながる存在。初版は全4巻。1928年〜1929年修正版全4巻。1939年〜1941年修訂版全5巻。1952年修訂新装版全1巻。
言泉
大倉書店(1921年〜1929年)落合直文(著)、芳賀矢一改修
  • 『ことばの泉』を芳賀矢一が増補改訂したもの。復刻版に『日本大辞典 言泉』全6巻(日本図書センター、1981年)がある。
広辞林
三省堂(1925年、1983年第6版)金沢庄三郎
  • 『辞林』を引き継ぐ。1934年の新訂版は敗戦後の1950年代まで版を重ねた当時の代表的な存在。1958年の新版、1973年の第5版と改訂が続き、1983年の第6版が最終版[8]。第5版・第6版の版次は『辞林』を初版としたもの。
小辞林
三省堂(1928年)金沢庄三郎
  • 『広辞林』の小型版。非常に普及し、1956年ごろまで版を重ねた。1957年改題改訂版『新小辞林』に引き継がれる。
大言海
冨山房(1932年〜1935年)大槻文彦
  • 『言海』の増補改訂版。語源の記述が独特で、用例が豊富になっている。大槻没後に協力者・近親者らにより刊行に至る。敗戦前の大規模な国語辞典として『大日本国語辞典』と並び称される。
辞苑
博文館(1935年)新村出
  • 先行の『大日本国語辞典』『広辞林』『言泉』を引き写していると指摘されている。『広辞苑』は『辞苑』の改訂作業から発展したもの。
大辞典
平凡社(1934年〜1936年)石川貞吉ほか
  • 約72万項目と収録語数が最大の国語辞典。全26巻。1974年縮刷版2巻、拡大鏡付き[9]。『大日本国語辞典』『大言海』と併せて三大国語辞典と呼ばれ、収録語には固有名詞や方言なども含む。

『明解国語辞典』以降

明解国語辞典
三省堂(1943年〔初版〕、1952年改訂版)金田一京助[10]、小型
  • 『小辞林』を基に現代語を中心に編纂。現代の小型国語辞典の嚆矢[11]。改訂版は表記欄の見出し漢字に当用漢字表・音訓表の表内字=表内音訓・表外字・表外音訓の印を付け、後発の辞書がそれにならった。1997年に初版の復刻版が刊行された。
言林
全国書房(1949年)新村出
  • 1961年に小学館から新版。
ローマ字で引く国語新辞典
研究社(1952年)福原麟太郎山岸徳平、小型
  • 一語一語に英訳を付記。2010年復刻版。
辞海
三省堂(1952年)金田一京助
  • 研究者、国語教師などから高く評価されたが、実際の販売は好調とは言えず、改訂されることなく品切れとなった。1974年新装。
広辞苑
岩波書店(1955年〔第1版〕、2018年第7版)新村出、中型
  • 敗戦と国語改革を経た後、初めて出版された百科兼用の中型国語辞典。広く支持され、ベストセラーとなった。
例解国語辞典
中教出版(1956年)時枝誠記、小型
  • 語釈・用例について評価が高い。ほぼすべての項目に用例(作例)を付した。時枝文法による。送り仮名の付け方(1973年)を付録とする増訂版がある。1977年まで版を重ねた。
角川国語辞典
角川書店(1956年〔初版〕、1969年新版)
新選国語辞典
小学館(1959年〔初版〕、2011年第9版)金田一京助佐伯梅友[12]、小型
  • 収録した語の数とその内訳を詳しく示す。巻末の「漢字解説」は熟語を構成する漢字の意味を知るのに役立つ。
新言海
日本書院(1959年)大槻文彦〔著〕大槻茂雄〔補〕、小型[13]
  • 『言海』の現代版として編まれた辞典。
三省堂国語辞典
三省堂(1960年〔初版〕、2014年第7版)見坊豪紀ほか、小型
  • 新しく定着しつつある言葉を見逃さず取り入れることでは他の追随を許さない。見坊は、この辞書の編纂のために生涯に約140万語に及ぶ現代語の採集カードを作った。語釈は平易な言葉を使い簡潔。
旺文社国語辞典
旺文社(1960年〔初版〕、2013年第11版)山口明穂和田利政池田和臣ほか、小型
  • 日常生活に必要な語をはじめ、科学技術・情報・医学などの最新語、和歌(百人一首・現代短歌)・現代俳句や、人名・地名・作品名などの固有名詞、故事ことわざ・慣用句を豊富に収録。常用漢字・人名用漢字はすべて見出しとして収載。
岩波国語辞典
岩波書店(1963年〔第1版〕、2019年第8版)西尾実岩淵悦太郎水谷静夫ほか、小型
  • スマートな語釈に定評があり、例えば「右」の語釈に「この辞典を開いて読む時、偶数ページのある側を言う」とあるのは秀逸とされる。単漢字を造語成分とみて「漢字母」項目として立項する。
新明解国語辞典
三省堂(1972年〔初版〕、2020年第8版)山田忠雄ほか、小型
  • 主幹・山田の個性を反映した独特の語釈で人気がある。ある動詞がどのような助詞を取るかなどについての情報も詳しい。
日本国語大辞典
小学館(1972年〜1976年〔第1版〕、2000年〜2002年第2版)、大型
  • 松井栄一が中心となり、ほとんど学界総がかりで編集に当たる。初版は全20巻、後に縮刷版全10巻で語数は約45万語。第2版は全13巻で語数は約50万語になった。現存するあらゆる日本語の文献を視野に用例を取り、最古例・主な例を示す。
角川国語中辞典
角川書店(1973年)時枝誠記・吉田精一、中型
  • 現代語を先に記述する方式を採った最初の辞書。見出し語数は約15万語。1982年に見出し語数5000語程度の増加をもって『角川国語大辞典』を出版する。
学研国語大辞典
学習研究社(1978年〔初版〕、1988年第2版)金田一春彦池田弥三郎
  • 中辞典ながら百科項目を排し、国語辞典に徹する。用例は近現代の実例が多い。
新潮現代国語辞典
新潮社(1985年〔初版〕、2000年第2版)山田俊雄白藤禮幸ほか、小型
  • 漢語に強い。字音語に対する仮名見出しを片仮名にする。近現代の文学作品から用例を多く採り、実例を示す。
現代国語例解辞典
小学館(1985年〔第1版〕、2016年第5版)林巨樹〔監修〕、小型
  • 『日本国語大辞典』の成果を踏まえて編まれた小型国語辞典。類語の違いを他の言葉との組み合わせによる適否で示す類語対比表、可能な表記より一般的な表記を重視することに特徴がある。
国語大辞典 言泉
小学館(1986年)林大〔監修〕、中型
  • 『日本国語大辞典』をベースとしていることが特徴。他の『言泉』との関連はない。
大辞林
三省堂(1988年〔初版〕、2019年第4版)松村明、中型
  • 『広辞林』の改訂では『広辞苑』に対抗できないと認識した三省堂が、倒産をはさんだ28年間をかけて編纂した。語釈を、現代広く使われているものから順に記すなど、現代語主義を採る。インターネット上で第2版、第3版が提供された。第3版・第4版にはモバイルアプリケーションがある。
日本語大辞典
講談社(1989年〔初版〕、1995年第2版)梅棹忠夫・金田一春彦〔監修〕、中型
  • 国語辞典と百科事典の両方の特徴を持つ。同辞典の冒頭の「序」によると、国際化が進む中での日本語の現状を、情報処理の能率も鑑みながら、日本語の歴史的な背景も視野に入れ、将来を含めて考察するための材料を提供することを目的とする。
集英社国語辞典
集英社(1993年〔初版〕、2012年第3版)森岡健二徳川宗賢川端善明中村明星野晃一、中型に近い小型
  • 語数は約9万4000語。この規模の辞書では初めて横組み版も発売された。文法項目の用例に分かりやすい唱歌などを用いている。一般語にNHKのアクセントを示す。
辞林21
三省堂(1993年)松村明・佐和隆光・養老孟司〔監修〕、中型
  • 横組み。語数は約15万語。百科事典、カタカナ語辞典、人名事典、地名辞典、アルファベット略語辞典、ワープロ漢字字典としての機能を併せもつ。1998年の『新辞林』は本書の改題改訂版に当たる。
角川必携国語辞典
角川書店(1995年)大野晋・田中章夫、小型
  • 間違いやすい言葉の使い分けを丁寧な解説によるコラムで紹介する。文法などの国語関連の項目を載せ、百科事典のような項目を幅広く採用している。漢字に詳しく、書き順も示すほか、古語や類義語も充実している。
大辞泉
小学館(1995年〔初版〕、2012年第2版)松村明〔監修〕、中型
  • 現代語を重視し、新聞や放送、インターネットからも広く語彙を集める。第2版は横組みで刊行された。ウェブサイト・モバイルアプリケーションを通じて提供される『デジタル大辞泉』は年3回の更新を継続し、新語・時事用語などを収録する。固有名詞の収録に特色がある。
三省堂現代新国語辞典
三省堂(1998年〔初版〕、2019年第6版)小野正弘〔編集主幹〕・市川孝ほか、小型
  • 『三省堂現代国語辞典』(1988年初版)の改題改訂。高校教科書密着型を謳い、評論文のキーワードなどを重視する。第6版では「ググる」「スクショ」などの俗語や「沼」「ギガ」などの新用法を収録し「バズる」(これも新たに立項)[14]
明鏡国語辞典
大修館書店(2002年〔初版〕、2020年第3版)北原保雄、小型
  • 文法項目に力を注ぎ、たとえば助詞の「が」の説明だけで1ページ以上ある。言葉の「誤用」への言及が多い。
小学館日本語新辞典
小学館(2005年)松井栄一、小型
  • 類語の使い分けが詳しい。意味などがよく問題になる語について、コラムで詳述する。顔文字のような記号によって、日常語にこもる感情がプラス(称賛)かマイナス(非難)かを示す。

小学国語辞典

「小学生が初めて使う辞書」として各社から出版されており、2色刷り、フルカラー、イラスト入り、すべてのページに五十音を表示するなどの工夫がなされている。

辞書名出版刊行年・版判型収録語数ルビ別冊付録、他
くもんの学習 小学国語辞典くもん出版2011年・第4版A5判25,000語総ルビまんが辞典に強くなる本
小学国語辞典文英堂2011年・第5版A5判、B6判30,000語総ルビ辞書引き練習帳
小学国語新辞典旺文社2010年・第4版B6判31,000語パラルビ国語辞典の使い方
新レインボー はじめて国語辞典学研プラス2016年・初版A5判16,000語総ルビ金田一 秀穂 (監修)
新レインボー小学国語辞典学研プラス2015年・第5版A5判、B6判37,200語総ルビまんがでわかる
国語辞典のつかい方
例解小学国語辞典三省堂2015年・第6版B6判35,500語総ルビ「百人一首」B2ポスター
チャレンジ小学国語辞典カラー版ベネッセ2017年・初版A5判、B6判35,100語総ルビカラー版学年別漢字ポスター
チャレンジ小学国語辞典ベネッセ2014年・第6版A5判、B6判35,100語総ルビカラー版学年別漢字ポスター・
百人一首ポスター
ドラえもん はじめての国語辞典小学館2018年・第2版A5判18,000語総ルビ4歳から
例解学習国語辞典小学館2014年・第10版A5判、B6判36,500語総ルビ学年別漢字表ポスター
小学新国語辞典光村教育図書2010年・改訂版B6判33,000語総ルビ学年別学習漢字表、補足資料

脚注

  1. 世界遺産 栂尾山 高山寺 公式ホームページ”. 高山寺. 2018年10月19日閲覧。
  2. げんかい【言海】”. goo辞書(出典:デジタル大辞泉(小学館)). 2020年8月19日閲覧。:「最初の近代的国語辞典」
    • “言海”. 日本国語大辞典 (第2版 ed.). 小学館.:「体裁、内容の整った国語辞典として最初のもの」
    • 精選版 日本国語大辞典(小学館). 言海 (日本語). コトバンク. 2020年8月19日閲覧。:「体裁、内容の整った国語辞典として最初のもの」
    • “言海”. 大辞林 (第4版 ed.). 三省堂.:「漢字表記・品詞・語釈などを完備した最初の近代的国語辞典」
    • 日本大百科全書(小学館). 言海 (日本語). コトバンク. 2020年8月19日閲覧。:「わが国で最初の近代的な組織の普通語辞書」
  3. 国語施策年表 (『国語施策百年史』2006年より) (pdf)”. 文化庁. 2020年7月17日閲覧。
  4. 『語彙 あの部』文部省編輯寮、文部省編集寮、1871年。NDLJP:862768/22020年7月17日閲覧。
  5. 『語彙 えの部』文部省編集局、文部省編集局、1884年。NDLJP:862780/22020年7月17日閲覧。
  6. 『言海』大槻文彦、大槻文彦(自費出版)、1891年。NDLJP:992954/6342020年7月17日閲覧。 (巻末「ことばのうみ の おくがき」の著者:大槻文彦)
  7. ほぼ松井簡治の独力によって成り、上田万年は名目上の共著者であったと考えられている。『世界大百科事典』「大日本国語辞典」項(林大執筆)は「上田万年・松井簡治共著(実際は松井著)」と注記する。松井は修訂版の序「修訂版及び補卷の刊行に就いて」で、上田が多忙であったため「殆ど一回の閱覽をも請ふことが出來なかつた」と書き、上田は版元との交渉の斡旋に当たったと続ける。松井の没後、長男・驥(き)は修訂新装版の「あとがき」に「故上田萬年博士との共著といふことで、やうやく兩出版の引受けを得たものであつたらしい」と記す。
  8. 商品説明:辞書:『広辞林 第六版』”. 三省堂. 2020年8月19日閲覧。
  9. 大辭典 縮刷 - 平凡社
  10. 実際は見坊豪紀のほぼ独力による。
  11. 『日本辞書辞典』は「現代語本位の本格的な国語辞典の創始というべきもの」と評する。
  12. 後に大石初太郎野村雅昭が参加。
  13. 判型は少し大きめ。
  14. ながさわ (2018年12月5日). バズった『三省堂現代新国語辞典』第6版。「キメる」「刺さる」…さらに「攻めてる」点を紹介”. Zing!. 2018年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月18日閲覧。

参考文献

  • 山田忠雄『三代の辞書 国語辞書百年小史』三省堂 1967年
  • 惣郷正明朝倉治彦『辞書解題辞典』東京堂出版 1977年
  • 山田忠雄『近代国語辞書の歩み その摸倣と創意と』(上下2冊)三省堂 1981年
  • 沖森卓也倉島節尚・加藤知己・牧野武則『日本辞書辞典』おうふう 1996年
  • 武藤康史『明解物語』三省堂 2001年
  • 武藤康史『国語辞典の名語釈』三省堂 2002年
  • 紀田順一郎・山口明穂・竹林滋・金田一春彦・阿辻哲次『日本の辞書の歩み』辞典協会 1996年
  • 金武伸弥『『広辞苑』は信頼できるか 国語辞典100項目チェックランキング』講談社 2000年
  • 松井栄一『出逢った日本語・50万語 辞書作り三代の軌跡』小学館 2002年
  • 倉島長正『日本語一〇〇年の鼓動 日本人なら知っておきたい国語辞典誕生のいきさつ』小学館 2003年
  • 石山茂利夫『国語辞書事件簿』草思社 2004年
  • 松井栄一『国語辞典はこうして作る 理想の辞書をめざして』港の人 2005年
  • 石山茂利夫『国語辞書 誰も知らない出生の秘密』草思社 2007年
  • 倉島長正『国語辞書一〇〇年 日本語をつかまえようと苦闘した人々の物語』おうふう 2010年

関連項目

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