ロシア・ルーブル

ルーブルロシア語: рубль、rouble/ruble)は、ロシア通貨単位である。ロシア語での発音に沿ってルーブリと表記する場合もある。国際通貨コード(ISO 4217)はRUB(以前はRURを使用)。

ロシア・ルーブル
российский рубль(ロシア語)
100ルーブル紙幣
ISO 4217
コード
RUB
中央銀行ロシア中央銀行
ウェブサイトwww.cbr.ru
公式
使用国・地域
ロシア
非公式使用
国・地域
スヴァールバル諸島
アブハジア
南オセチア
ルガンスク人民共和国
インフレ率3.7%
情報源The World Factbook Inflation rate (consumer prices)
(2017年)
上位単位
100パーロチカ (Ӏ)
補助単位
1/100カペイカ(コペイカ)
通貨記号()
カペイカ(コペイカ)к
硬貨1、5、10、50カペイカ
1、2、5、10, 25ルーブル
紙幣5, 10、50、100、200、500、1000、2000、5000ルーブル
紙幣製造造幣局
ウェブサイトgoznak.ru
硬貨鋳造モスクワ造幣局
サンクトペテルブルク造幣局
3ルーブル紙幣の表面(1905年)
5ルーブル金貨の表面(1905年)

ルーブルの通貨記号 (,) は、2013年12月11日にロシア中央銀行により制定が発表された[1]。補助通貨はカペイカ(コペイカとも、ロシア語: копейка、kopek/copeck)で、1ルーブルは100カペイカである。

ロシア帝国から旧・ソビエト連邦でも使用された。

2020年7月29日現在で、1ロシア・ルーブル=1.45円

歴史

ロシア領アメリカを開発しているときの1800年に金本位制を採用した。[2]

旧ソ連時代

1935年にフランス・フランとリンクした。為替レートが貿易用と貿易外で別に設定された。11月、ルーブルの単位あたり金含有量は0.17685グラムとされ、相場が1ルーブルあたり3フランス・フランと決められた。しかし翌1936年10月にフランス・フランが切り下げられたので、1ルーブルあたり4.25フランス・フランに相場が変更され、ルーブルの単位あたり金含有量も0.17595グラムに改訂された。フランス・フランがどうしても安定しないので、1937年以降はUSドルにリンクした。1ドルあたり5.3ルーブルと定められ、またルーブルの単位あたり金含有量は0.16767グラムに引き下げられた。[2]

ソ連は1947年12月に10分の1のデノミネーション(デノミ)を行った。西ドイツと違って、預金や国債等は優遇された。受益者の実質所得は上昇した。[2]

  • ソ連国家労働貯蓄金庫の預金については三段階の優遇レートが適用された。一段目は3千ルーブルまでの等価交換を保障した。二段目は3千ルーブルから1万ルーブルをデノミするが、1/10ではなく2/3とした。三段目は1万ルーブルを超過した預金額をデノミするが、やはり1/10ではなく1/2とした。
  • 共同組合・コルホーズ預金はデノミするが、1/10ではなく、4/5とした。
  • 国営企業と官庁の記帳残高は等価交換された。旧残高はそのまま新残高となった。
  • 国債は、その発行年度によりデノミ率を異にしたが、いずれにしても1/10ではなかった。1939-46年発行のものは額面3ルーブルにつき、1948年発行の新国債額面1ルーブルと交換された。1/3のデノミである。1938年以前発行のものは額面5ルーブルにつき、1947年発行の新国債額面1ルーブルと交換された。1/5のデノミである。外債も同様であったかは参考文献に書かれていなかった。[2]

1950年3月1日に経済相互援助会議参加国域内でルーブル・リンクができた。ここでルーブルの価値は金0.222168グラムと決められ、参加国通貨との交換レートは各通貨の金純分に拠った。ルーブルの対西側レートは、ドルの金純分に拠って1ルーブル=0.25ドルとなった。1ドル=5.3ルーブルであった相場が、1ドル=4ルーブルとなったのである。[2]

1961年にも10分の1デノミを行った。これは1947年のときのような例外措置がなかった。ルーブルあたりの金含有量は0.987412グラムとなり、相場が1ドル=0.9ルーブルとなった。[2]このときに発行された紙幣の種類は100・50・25・10・5・3・1ソ連・ルーブル紙幣の7種類だった。しかし、100ルーブルと50ルーブルは市中ではあまり流通していなかった。

1971年のニクソン・ショックで、ルーブルはUSドルと金リンクしなくなった。VTB変動為替相場制に対応した。[2]

ソ連末期のペレストロイカに伴うインフレーション(インフレ)により、ソビエト連邦の崩壊直前の1991年には1,000・500・200・100・50ルーブル紙幣が新しく発行されるとともに、10・5・1ソ連・ルーブル紙幣が改刷された。この改刷は、色が増える等の偽造防止策が追加された程度で、大きなデザインの変更はなかった。なお、ソ連時代の紙幣の肖像画は10ルーブル以上にはレーニンが描かれており、5ルーブル以下には肖像画はなかった。また、1961年シリーズの紙幣の裏側にはロシア語で大きく「・・ルーブル」と記されてある下に、ロシア以外のソ連構成共和国14ヶ国の言語でも「・・ルーブル」と記されているのが特徴であったが、1991年シリーズでは初期発行分を除き省略された。この各国語の表記は、通貨単位の「ルーブル」まで各国語に「翻訳」されており、ウクライナ語では「カルボーヴァネツィ」、ウズベク語では「スム」などと表記されていた。

ソ連時代は硬貨は非常に種類が多く、記念硬貨を除いても1ルーブル・50・20・15・10・5・3・2・1カペイカの合計9種類が発行されていた。1カペイカ硬貨は非常に小さく、直径15mmしかなかった。

ロシア時代初期

1991年12月のソ連崩壊後もしばらくの間はソ連ルーブルが使用されていたが、1992年ロシア中央銀行最初の紙幣として5,000ロシア・ルーブル紙幣が発行、同年には後に10,000ロシア・ルーブル紙幣も発行された。

1993年には50,000ロシア・ルーブル紙幣が新しく発行されるとともに、10,000・5,000ロシア・ルーブル紙幣が改刷、1,000・500・200・100ルーブルはそれまでソ連・ルーブル紙幣が流通していたが、ロシア・ルーブル紙幣に改刷された。なお、この時の改刷は、10,000・5,000ロシア・ルーブル紙幣については従来の紙幣の色を少し変え、1,000・500ロシア・ルーブル紙幣は、従来のソ連・ルーブル紙幣に描かれていたレーニンの肖像をロシア国旗の掲揚されたクレムリンに置き換えただけの、手軽なデザインだった。進行する急激なインフレにより価値の低下した50ロシア・ルーブル以下は紙幣は発行されず、硬貨となった。このときに発行された硬貨は50・20・10・5・1ルーブルの5種類であった。また、このときに10・5・3・1ソ連・ルーブル紙幣以外の高額ソ連・ルーブル紙幣が流通停止となった。また、旧ソ連時代の硬貨が流通停止となり、カペイカ単位の貨幣が存在しなくなった。なお、1993年シリーズ紙幣には、紙の色を変更するなどのマイナーチェンジを施した1994年版もある。

1994年10月、ルーブルが大暴落した。これはオリガルヒなどによる官有物買収と並んでロシア財政危機の一因となった。

1995年には100,000ルーブル紙幣が新しく発行されるとともに50,000・10,000・5,000・1,000ルーブル紙幣が、100,000ルーブル紙幣と統一デザインで改刷された。これ以降ロシア・ルーブル紙幣はロシアの各都市を題材とする図柄となった。また、僅かの期間の交換期間を経た後で1994年版を除く1993年シリーズ以前の旧紙幣の流通を停止した。これは当時問題となっていたマフィアなどによる資金洗浄を封じる目的があったともいわれる。1996年には500,000ルーブル紙幣が登場した。これがルーブル史上最も大きな数字の紙幣となった。なお、500,000ルーブル紙幣も「1995」と記されている。

デノミ実施以降

1998年1月には、長く続いた急激なインフレや前年のアジア通貨危機の影響を受けて、通貨価値が低下したものの、それらの影響が収束したとして、1000分の1のデノミ(0を3つ取るデノミ)が行われ、その準備として、1997年に500・100・50・10・5ルーブル紙幣が発行された。デノミによる混乱をできるだけ避けるために、デザインは従来の同価値の紙幣と全く同一となっている。従来は紙幣が発行されていた1000ルーブルは、インフレによる価値低下で新1ルーブル硬貨として発行されることになった。50・10・5・1カペイカ硬貨も発行され、久々のカペイカ単位の貨幣の復活となった。硬貨は後に5ルーブルと2ルーブルも発行されている。

しかし、長らくかつてのような通貨価値を回復したとは言えず、ロシア国内においてもドル決済やユーロ決済の方に信用が行くという皮肉な事態が発生していたが、近年のロシア経済の好調により通貨としての信用を回復しつつある。2005年2月より、USドルとユーロを組み合わせた通貨バスケットを導入しており、2007年2月13日に0.60USドル+0.40ユーロから0.55USドル+0.45ユーロに変更した。2005年からはルーブルのロシア国外持ち出し規制が撤廃されている。

2001年には1,000ルーブル紙幣が発行された。また、2004年には偽造対策を強化した1997年シリーズ2004年版が発行された。この時から5ルーブルは硬貨に変更された。2006年には、当時の為替レートでは日本円で20,000円を超える5,000ルーブル紙幣が発行された。以前ならインフレの象徴とされた高額紙幣の新規発行も、今や好調なロシア経済の証となっている。なお、これらの紙幣は実際の発行年とは無関係に「1997」と記されている。

2009年10月より10ルーブル硬貨が新たに発行された。また、2010年から高額紙幣の5000.1000.500ルーブル札が、より偽造対策が強化された1997年シリーズ2010年版に改刷された。

現在流通している硬貨・紙幣

硬貨は1ルーブル、2ルーブル、5ルーブル、10ルーブル(2009年10月より)が流通している。過去に発行されていた1カペイカ、5カペイカ、10カペイカ、50カペイカのカペイカ単位の硬貨は、すでに市中では流通していない。紙幣は、50ルーブル、100ルーブル、500ルーブル、1,000ルーブル、2,000ルーブル、5,000ルーブルが流通している。5ルーブル紙幣と10ルーブル紙幣も廃止はされていないが、もう市中ではほとんど流通していない。なお、2014年にソチオリンピックを記念した100ルーブルポリマー紙幣が発行されたが、記念紙幣の性格上市中ではほとんど流通していない。

ルーブルの語尾変化

ロシア語名詞は、結合する個数詞によってその形が3種類に変化する。通貨単位であるルーブルも例外ではない。冠する個数詞が「1」、つまり1ルーブルの場合はそのまま単数主格で「ルーブル(ルーブリ)」"рубль"と表記する。一方ほとんどの紙幣や硬貨では「ルブレイ」"рублей"と表記されているが、これは結合する個数詞が「5」以上の場合、名詞は複数生格になるというロシア語規則による。また、かつてロシア帝国やソ連時代に存在した3ルーブル紙幣や近年記念コインとして発行された3ルーブル硬貨では、"три рубля"のように「ルブリャー」"рубля"と表記されている。これは「2~4」の個数詞と結合する名詞は、単数生格になる為である。補助単位の「カペイカ」も同様である。

ロシア語表記 発音
1ルーブル рубль ルーブリ
2-4ルーブル рубля ルブリャー
5ルーブル以上 рублей ルブレイ
1カペイカ копейка カペイカ
2-4カペイカ копейки カペイキ
5カペイカ以上 копеек カペーク

各紙幣に描かれた都市

1995年版券種1997年版券種2004年版券種2010年版券種描かれた都市名
1,000ルーブル硬貨に移行硬貨に移行硬貨に移行ウラジオストク
5,000ルーブル5ルーブル硬貨に移行硬貨に移行ノヴゴロド
10,000ルーブル10ルーブル10ルーブル硬貨に移行クラスノヤルスク
50,000ルーブル50ルーブル50ルーブル2004年版を継続発行サンクトペテルブルク
100,000ルーブル100ルーブル100ルーブル2004年版を継続発行モスクワ
500,000ルーブル500ルーブル500ルーブル500ルーブルアルハンゲリスク
発行なし1,000ルーブル1,000ルーブル1,000ルーブルヤロスラヴリ
発行なし発行なし5,000ルーブル5,000ルーブルハバロフスク

貨幣ギャラリー

  • 1997年版紙幣は、1998年に行われた1,000分の1のデノミ対応紙幣のため、1995年版の1,000分の1の金額が、1997年版以降の同一価値の紙幣である。
  • 100ルーブル紙幣の図柄が首都モスクワとなっているのは、デノミ前の1995年版の発行当初は、100,000ルーブル紙幣が最高額の紙幣だったからである。

符号位置

Unicode 7.0 にて導入された[3]

記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
U+20BD₽
₽
ロシア・ルーブル記号[4]

為替レート

ロシアは通貨バスケット制を採用している[5]

2014年1月23日、プーチン大統領は、ルーブルの通貨切り下げについての発言を行った。[6]

2014年11月10日、ロシア中銀は来年にはルーブルを変動相場制にすると発表した。[7]

現在のRUBの為替レート
Google Finance: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
Yahoo! Finance: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
XE: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
OANDA: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD
fxtop.com: AUD CAD CHF EUR GBP HKD JPY USD

脚注

  1. ルーブルに通貨記号=ロシア中銀
  2. 田中1990年
  3. Google Noto Fontsで入手できる「Noto Sans Symbols」、Paratypeで入手できる「PT Sans」などや、Quiviraで入手できる「Quivira」(4.1以降)、BabelStoneで入手できる「BabelStone Roman」、和田研細丸ゴシック2004フォントの公開で入手できる「和田研細丸/中丸ゴシック2004絵文字」、にしき的フォントで入手できる手書きのポップ体「Nishiki-teki」、sil.orgで入手できる「Doulos SIL」、softerviews.orgで入手できる「Balava」、Unicode Fonts for Ancient Scriptsで入手できる「Symbola」などが対応している。
  4. Unicode 7.0.0
  5. 図解 経済入門 基本と常識 32p
  6. プーチン、ルーブルの切下げについて言及もナビウリナは何も語らなかったRIAノーボスチ
  7. ロシア中銀がルーブルを変動制に、許容レンジ撤廃ロイター

参考文献

  • 田中壽雄 『ソ連・東欧の金融ペレストロイカ』 東洋経済新報社 1990年 第三章 ルーブルの国際化

関連項目

外部リンク

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