リサイクル

リサイクル: recycling,recycle)は、排出された廃棄物から資源(またはエネルギー)を再度回収して利用すること。「再生利用」「資源再生」「再資源化」「再生資源化」などと訳される。廃棄物等の再生利用は、資源・エネルギー問題の深刻化に対応するための長期的な資源確保のための手段という観点と、本来処理されるべき廃棄物量の減少(減量化)という2つの観点をもつ[1]

ポーランドでの、ガラス瓶とプラスチックボトル(ペットボトル)の分別回収のスポット。
リサイクルのために圧縮されたアルミ缶。アルミはリサイクル率が高く、「リサイクルの優等生」と呼ばれている。→#アルミニウム(アルミ缶)
現代では電子部品からレアメタルがリサイクルされている。

概説

3R

大量生産・大量消費・大量廃棄型社会からの脱却と循環型経済システムの構築が課題になっている[1]

リサイクルは、リデュース(reduce、減量、排出抑制)やリユース(reuse、再使用、再利用)と共に、「3R」のひとつと位置付けられる。

資源の再循環については1970年にアメリカのリチャード・ニクソン大統領が議会に提出した公害教書(THE FIRST ANNUAL REPORT of the COUNCIL ON ENVIRONMENTAL QUALITY)の中で、委員会勧告として「物質を最大限に再循環させ再使用することは、処理を要する固形廃棄物の量が増加するのを押さえるために必要である(Maximum recycling and reduce of materials are necessary to reduse the growing volume of solid wastes that must be disposed of)」と記述された[1]。また、日本では昭和46年(1971年)の環境白書で初めて「再生利用」という言葉が用いられた[1]

3Rの日本語訳について、2000年以降、Reduce(排出抑制)、Reuse(再利用)、Recycle(再生使用)と定義づけられることが多くなっている[1]。「3R」の概念が登場するまで日本では「リサイクル」の中に再生利用だけでなく再使用や排出抑制を含めて表現することが多かったといわれている[1]。例えば平成3年(1991年)環境白書には「新たな資源の投入を出来るだけ抑え、環境中に戻す排出物の量を最小限とするとともに、有害物質をできる限り環境に排出しない『リサイクル社会』を形成する努力を行うことが必要」との表現がみられる[1]。しかし「3R」の概念の登場により「リサイクル」の意味は「再生利用」に特化して用いられるようになった[1]。日本で「リサイクル」という言葉が初めて使われたのは1974年3月設立の「リサイクル運動市民の会」(名付け親は糸川英夫)といわれている[1]。また、環境白書で初めて「リサイクル」という言葉が用いられたのは昭和55年(1980年)版である[1]

定義

リサイクルに関する用語の定義や整理は地域により異なっている[2]

分類については後述するが、EUの各種指令ではリサイクル(recycling)は再製品化を行うマテリアルリサイクル(material recycling)のことを指し、エネルギー発生手段として利用するエネルギーリカバリー(energy recovery)などと合わせてリカバリー(recovery)という用語を使用している[2]。ただし、これはドイツなど各国の国内でのリサイクル方法の用語の整理とも違いがある[2]。日本ではマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルなどの分類が用いられる[2]

百科事典等の説明文や定義文は次のようになっている。

  • スーパーニッポニカでは「日常生活で不要な(不要となった)製品や、産業活動に伴い副次的に得られた物品を、資源として再利用、あるいは回収・再生して有効利用すること」としている。
  • ブリタニカ電子辞書版(簡略版)では、「1度使った資源(廃棄物)を回収して再利用すること」と説明している。
  • Oxford Dictionaryでは「不要物(ゴミ、廃棄物)を再利用可能な素材へと変える行動や過程[3]」としている。
  • 広辞苑第六版では「資源の節約や環境汚染防止などのために、不用品や廃棄物などを再利用すること」としている。

回収

リサイクルされるものの回収の方法は、主として次の3つの方法がある[4]。ひとつは有償買取であり、持ち込む人(あるいは組織)が分別し、リサイクル業者に持ち込み、なんらかの対価を得る、というものである。ふたつめは無償方式で、不要となったものを業者のところに持ち込むが、対価は得ない、というもの。もうひとつは個人や組織が出す不用品を何らかの機関(や代理業者)が回って回収する、というものである[4]地方自治体による回収の他にも、市民がボランティアで自主的に資源回収活動を行っている場合もある[5]。他にも様々な工夫をした回収法を導入している国もある。→#回収

リサイクルの分類

EU

EUの各種指令(94年EU容器包装指令、75年EU廃棄物枠組指令付属書ⅡBなど)ではリサイクル(recycling)は再製品化を行うマテリアルリサイクル(material recycling)のことを指す[2]。エネルギー発生手段として利用することはエネルギーリカバリー(energy recovery)と呼ばれており、マテリアルリサイクルやエネルギーリカバリーなどを合わせてリカバリー(recovery)という用語を使用している[2]

なお、マテリアルリサイクルのうち微生物を使用した包装廃棄物の処理を有機リサイクル (organic recycling)と定義している[2]

ドイツ

プラスチックのリサイクル手法としては、再製品化を行うメカニカルリサイクル(mechanical recycling、materials-oriented processes)や原料レベルで再資源化するフィードストックリサイクル(feedstock recycling)がリサイクルとして扱われている[2]。エネルギーとして利用することはエネルギーリカバリー(energy recovery)と呼ばれている[2]

日本

プラスチックのリサイクルでは、プラスチック再製品化(reproduction)を意味するマテリアルリサイクル(material recycling)、原料・モノマー化によるケミカルリサイクル(chemical recycling)、エネルギーとして利用するサーマルリサイクル(thermal recycling)などがある[2]

内部リサイクルと外部リサイクル

ひとつの大分類法は「内部リサイクル(internal recycling)」と「外部リサイクル(external recycling)」に分類する方法である。内部リサイクルとは、例えば、製造工程において生じた廃棄物をその工程で再利用することである。例えば銅管を製造している工場ではその製造工程で銅管の端を切ったり削ったりし(銅製の)不要物が生じるが、それを工場内で熱し溶かして、銅材として銅管の製造工程で再利用すること、は「内部リサイクル」の一例である[4]。また内部リサイクルには例えば、醸造工場で生じ不要となった「絞りかす」を原材料として用いて同工場で飼料を作る、などといった形もありうる[4]。「外部リサイクル」とは、使用済みとなったり廃棄された製品から、原材料を再生することである。例えば、新聞や雑誌を回収し再生紙工場で粉砕しパルプの状態に戻し新たにを作ることもそれにあたる[4]。広範囲に行われている「外部リサイクル」の例としては、新聞紙・雑誌類と並んで、ガラス瓶アルミ缶などの再生も挙げることができる[4]

その他の分類

  • オープンリサイクル(open-loop recycling) / クローズドリサイクル(closed-loop recycling)
  • 水平リサイクル(同種の製品にリサイクルされる場合)/カスケードリサイクル(なんらかの品質の低下があり、異種の製品にリサイクルされる場合)

各国のリサイクル

日本

現在の日本でのリサイクルには、流通段階の小売業者も、またリサイクル業者(再生業者)も、そして市町村も大きな役割を果たしている[5]。例えば、ガラス瓶、大型家電、電池などの回収には小売店も大きな役割を果たしている[5]。例えば飲料のガラス瓶は小売店が積極的に回収しており、大型家電は、家電販売店が新品販売時に「下取り」などとして古い家電を回収しており、乾電池は店舗に電池回収箱などが置かれているわけである。古紙や古繊維類はリサイクル業者がさかんに回収している。また、多くの市・町・村が資源の分別回収を行っており、市民も再資源化できるものとそうでないものを分別して 再資源化が効率良く行われている自治体も多い[5]

「資源の有効利用」「廃棄物の発生抑制」「環境の保全」を目的として、リサイクルを促進するための措置を定めた「再生資源の利用の促進に関する法律」(通称「リサイクル法」)が、国会を通過し、1991年10月より施行された。

その後、「資源の有効な利用の促進に関する法律」に改正され、2001年4月に施行された。本法は、リデュース(減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の考え方を取り入れ、事業者がこれらの取り組みを進めることを目的としている。

統計の問題点

リサイクル率(リサイクルされた量/廃棄物の総量)の分母と分子の数値の定義は国によって異なる[6]。廃棄物の総量は、家庭系の主要な資源ごみだけの場合、生ごみなどその他の家庭系資源ごみを含む場合、家庭ごみ全体を含める場合、事業系ごみまで含む場合など国により算定方法が異なる[6]。また、廃棄物の総量の算出をする段階も、国により廃棄物の発生量、廃棄物の排出(搬出)量、廃棄物がリサイクル施設に入った量など国により算定方法が異なり問題とされている[6]

リサイクル品目

紙類

花見会場にて。分別と回収。

のリサイクルは水平リサイクルとカスケードリサイクルがある。品質が低い紙に再生される場合はカスケード(カスケード利用)のほうである。回収した紙は古紙として再び紙の原料となりトイレットペーパー段ボール白板紙の原料となる場合が多い。牛乳パックはバージンパルプ(リサイクル素材を含まないパルプ)から作成されていて繊維の品質が高いものとして流通するが、回収された古紙はトイレットペーパー板紙といったものに加工されており、有効に利用されることが多い。

用途に特化した紙が作られるようになるにつれ、感熱紙を始めとしてリサイクル上の問題となる禁忌品が増えており問題視されている。また、シュレッダーで処理された紙は、用途によってはパルプ繊維が切り刻まれているため再生には不利である。

アルミニウム(アルミ缶)

アルミニウムは、地金を新造する際に「電気の缶詰」といわれるほど電力を消費するが、ボーキサイトからアルミニウム地金を生産する電力消費量と、アルミ缶をリサイクルしてアルミニウム地金を生産する場合を比較すると、わずか3%で済む(つまり97%もの電力の節約となる。但し、純粋なアルミニウムを再精錬した時の理論値である。別途、不純物除去のエネルギーが僅かに必要である。)。その量を電力に換算すると2019年度の場合は、70億kWhとなる。これは、全国にある住宅(約5,800万世帯)の約15日分の使用電力量に相当する[7]

こうした利点があるため、アルミニウムは日本国内において最もリサイクル化が進んでいる金属であり、アルミ缶のリサイクル率が97.9%(2019年度)[7]にも達する。その為、アルミニウムはしばしば「リサイクルの優等生」と呼ばれる。更に、再びアルミ缶としてリサイクルされる割合は、約66.9%となっている。

また、融解時には空気中の窒素と反応して窒化アルミニウムAlNとして一部が失われる。

2Al + N2 → 2AlN

この窒化物は融解時にるつぼの表面に浮かぶので捨てられるが、空気中の水分と徐々に反応してアンモニアを生じる。

AlN + 3H2O → Al(OH)3 + NH3

また、プルトップ部分は剛性を持たせるため、マグネシウムを加えた合金を使用している。そのためリサイクル時にはそれを酸化して除かねばならず無駄が生じる。

世で用いられる銅は、(鉱山ではなく)リサイクルがその主要な源となっている。銅はアルミニウムのように、原料のままの状態であっても製品中に含まれている状態であっても関係なく、品質の損失なしに100 %リサイクルすることが可能である[8]。だから、銅は古代からリサイクルされ続けているのである。(なお他の金属との比較では)銅は、アルミや鉄に次いで金属として3番目の量リサイクルされている[9]

社会に蓄積された鉄鋼約13億9,269万トン(2018年度末時点)の鉄(1人当たり約11.0t)が循環しており[10][11]転炉法と電炉法によりリサイクルが大規模に行われている。また日本のスチール缶リサイクル率は2011年度以降90%以上であり、2019年度は93.3%となっている[12]

ガラス

ガラスソーダ石灰ガラス)製の液体コンテナ(容器)の内、いわゆるリターナブル瓶はそのまま洗浄して再使用されるが、一方のワンウェイ瓶は破砕されリサイクルされる。この破砕されガラス原料に用いられるものをカレットと呼ぶ。カレットはガラス原料から直接ガラスを製造するよりも材料としての純度が安定しており、またより少ないエネルギー量で瓶に加工できる。2005年では製造されるガラス瓶の90%以上がこのカレットを原料としており、再び社会で利用される。ただし瓶製造量に対してカレット原料としての回収率は60%前後であるため、より効率の良い(確実な)回収方法も求められている。

ガラスのリサイクル

食用油

石鹸ディーゼルエンジン用燃料などに再利用される。

食用油のリサイクル

ペットボトル

ペットボトルのリサイクル率(水平リサイクル)は、ドイツは2015年には93.5%という高い値を達成した、とされる[13]。 日本でのリサイクル率の2019年の推計値としては85.8%だったとされる(日本国内で回収されたものと、日本国外で回収されて日本でのペットボトル製造に用いられたものを組み合わせて算定している)[14]。米国でのペットボトルのリサイクル率は、2019年で19.7%と推計された[15]

(国によってペットボトル以外の用途へのリサイクルの割合は異なるが)、ボトルとして再製造されなかった分の大部分は、砕いて8~9mm程度の大きさのフレーク状や、もっと細かい(数ミリ程度の)ペレット状の材料にされる。PETフレークからはシート状の材料などにされ(スーパーの食品容器、ブリスターパックなどに加工されたり)、ペレットからは繊維などにされる(織られて になり、乗り物の座席の表面に用いられたり、フリースウェアの材料、ネクタイの材料 等々等々 として様々に利用されている)。(カスケードリサイクル、マテリアルリサイクル、オープンリサイクル、)。

「ペットボトル」の記事中のリサイクルの章およびペットボトルのリサイクル(英語版、オランダ語版等の独立記事)などが参照可。

電池類

電池類におけるリサイクル対象は、マンガン乾電池・アルカリ乾電池、ボタン電池リチウム一次電池リチウムイオン二次電池ニッケル水素ニカド電池、自動車用バッテリーの7種類。リサイクルに出す際は、電池の種類に関係なくプラス極およびマイナス極をセロハンテープなどで貼り付けることで絶縁しておく必要がある。

回収

言葉がわからない旅行者にも、分別して投じてもらえるようピクトグラムで投入可能なゴミの種類を示すごみ箱シンガポールにて
オランダの空き回収器
日本の小売店でのアルミ缶・食品トレー・牛乳パック回収

概説で説明したように、大きく分けると主として、リサイクル業者による有償買取、無償引き受け、エージェント(自治体や、その委託先組織など)による(巡回)回収の3つがあり、またボランティアによる回収も行われている。

他にも、国によっては、次のような回収方式がある。

  • カーブサイド・コレクション : 家庭から出るごみを、資源種類毎に分別して各戸の前にあるごみ集積場に置く方法。日本の資源分別収集制度を取り入れた米国に多いが、収集車が各戸の前を通るまではごみが往来の脇に置きっ放しとなるやや前時代的な制度で、回収頻度が少なかったり住宅密度が高くなると、歩道が置かれたごみに占領される事態となる事も多い。
  • DSDシステム : ドイツ1991年に開始された包装材リサイクル制度。従来はほとんど未分別のまままとめて廃棄される事が多かった多種多様な包装材を、予め分別区分を設定して各メーカーに容器の区分表示を徹底させた上で、民間企業として独立採算による(DSP社)が資源として回収・再生・各種工業原料として販売する。これにより大幅なごみの減量に成功していると共に、独立採算とする事で処分コストの大胆な切捨てを可能としている。
  • ウェスト・ピッカー:ごみ処分が成熟していない(野積み処理などを行う)国では、最終処分場において個人による有価物の収集が行われ、結果的にリサイクルの環の一翼を担う[16]

取引

回収業者に回収された、資源ごみは分別(不純物を取り除いたり、材質などで分別する)または洗浄されることによって再資源化業者に売却される。これによって回収業者の運営費用・雇用の賃金が賄われているという実態がある。資源ごみは人件費の安い途上国からは一定の買い取り需要があり、主に先進国の回収業者から途上国の再資源化業者へ資源ごみが「輸出」され、輸入された国の再資源化業者が代価を支払うといった貿易関係が存在する。これが後述のリサイクルの課題にも繋がっている。

リサイクル用の資源は、各国の国内で需要と供給が一致しないために貿易が行われる。需給不一致の原因は、 (1) ある製品のリサイクルは同じ製品に使われない場合がある、 (2) 再生資源が発生するタイミングと再生資源を利用したいタイミングが合わない、 (3) 製品が作られた地域と廃棄された地域が異なる、などがある。再生資源の貿易は、資源の有効利用として環境面からも便益があるされる[17]

国連の貿易統計によれば、2015年の再生資源の輸出入を重量順でみると、上位は鉄スクラップ(8900万トン)、古紙(5800万トン)、粒状スラグ(2400万トン)、廃プラスチック(1500万トン)。金額の上位は鉄スクラップ(280億ドル)、銅スクラップ(210億ドル)、貴金属スクラップ(170億ドル)などである[18]

リサイクルの課題

再生品の品質

回収品に不純物が混入すると再生品の品質が落ちる。例えば古紙にラミネートなどが混入していてそれの再生工場での除去がうまくゆかないと再生品の品質が落ちる。そのため、再生業者の不純物の除去の技術の向上や、資源ごみを出す者が分別をしっかり行うことが望まれており、資源の回収を行う自治体や回収業者などによって「分別の徹底のお願い」などの広報がなされることもある。再生品は再生を繰り返すうちに品質が次第に低下する傾向があるので、新しい材料への再生材の混合率を一定程度に抑えるなどの工夫がされる場合もある。[19]

リサイクルのエネルギー

一般に、鉱物資源や植物資源から(ゼロから)作るよりはリサイクルに必要なエネルギーは少ないので、リサイクルのほうが経済的であり、またエネルギー効率から見ても有利なことは多い。例えば優秀な例を挙げると、ボーキサイトからアルミの地金を製造するのと比べて、アルミ缶からアルミ地金を作る場合わずか3%のエネルギーで済む(つまり97%の電力を節約できる)。一般に、鉱物資源や植物資源などから製品を製造するのにも大きなエネルギーが必要であるが、リサイクルもエネルギーが無(ゼロ)で済むというわけではなくそれなりに必要となる。リサイクルをエントロピーという観点から分析し課題意識を持つ人もいる。

リサイクルと資源ごみの国際的移動

2010年代中華人民共和国資源ごみの最大輸入国であり、2016年の廃プラスチックの輸入量は730万トンに及んでいた。しかしながら資源ごみに含まれる汚染物質が、リサイクルの過程で国内環境に与える影響は座視できないレベルとなったため、2017年7月18日、中国当局はWTOに対して2018年より廃プラスチックや未分別の古紙などの一部廃棄物の輸入を停止することを通告。2018年1月より実行された[20]。一方、中国の輸入停止を受けて、資源ごみの輸出国であった大韓民国では行き場を失った廃プラスチックなどがだぶつき、既存のリサイクルシステムが打撃を受ける状況も見られた[21]。イギリスでも、リサイクル向けに回収されたプラスチックのほぼ全量を中国に送っていたこともあり、中国の引き受け停止を受けて従来からのリサイクルシステムが崩壊。廃プラスチックの焼却処理を余儀なくされている[22]。日本はこれまで、廃プラスチックの大半を中国に輸出していたが、中国の引き受け停止を受けて、2018年以降、輸出量が減少している。2019年の日本の廃プラスチックの輸出量は前年比10.9%減の89万8000トンだった。廃プラスチックの輸出量は2014年以降減少を続けていたが、100万トンを切るのは2004年(84万9,000トン)以来[23]

新品との価格競争

リサイクル製品は、再利用や再生に要するコストが上乗せされるため、新品との価格競争において不利になることがある。2020年前半、2019新型コロナウイルスの感染拡大などが要因となり原油価格が下落、プラスチック製品の原料が安価になったため、リサイクル製品が新品よりも割高になる現象が見られ、プラスチックのリサイクル自体が滞るようになった[24]

リサイクルシンボル

国際的に1970年代から、ユニバーサルリサイクルシンボルが用いられている。1988年から「樹脂識別コード」という数字を加えたものも用いられるようになり、プラスチック製品の回収の際の分別の助けとともなっている。

出典・脚注

注釈

      出典

      1. リサイクルという言葉の誕生と変遷、その意義と課題”. 環境省. 2020年6月5日閲覧。
      2. 用語の定義”. 経済産業省. 2020年6月5日閲覧。
      3. The action or process of converting waste into reusable material.
      4. Encyclopedia Britanica 。PC用の完全版。
      5. スーパーニッポニカ「リサイクル」田中勝 執筆。
      6. リサイクルとごみのこと”. 国立環境研究所. 2020年6月5日閲覧。
      7. リサイクル率”. アルミ缶リサイクル協会 (2019年6月21日). 2019年9月28日閲覧。
      8. Bahadir, Ali Mufit; Duca, Gheorghe (2009-08-03). The Role of Ecological Chemistry in Pollution Research and Sustainable Development. Springer. ISBN 9789048129034.
      9. Green, Dan (2016-09-06). The Periodic Table in Minutes. Quercus. ISBN 9781681443294.
      10. 日本の鉄鋼蓄積量 Accumulated quantity estimation of Japan (2018年). 2020年12月13日閲覧。
      11. 総務省 (2020年11月). 統計局>統計データ>日本統計年鑑>本書の内容>第七十回日本統計年鑑 令和3年>第2章 人口・世帯>2-1 人口の推移 B表(Excel)”. 2020年12月13日閲覧。
      12. スチール缶リサイクル協会 (2019年). リサイクル率”. 2020年12月13日閲覧。
      13. Bottle Deposits Responsible for High PET Recycling Rate in Germany
      14. リサイクル率の算出
      15. 日米欧のリサイクル状況比較
      16. Observations of Solid Waste Landfills in Developing Countries:Africa, Asia, and Latin America
      17. 小島 2018, pp. 85-87.
      18. 小島 2018, pp. 48-49.
      19. また、新しく製品を製造する場合でもその原材料に有害物質が混入すると世にそれを拡散させてしまうことがあるが、リサイクルでも回収した資材に有害物質が混入した場合も、やはり薄く広く拡散させてしまうことがある。例えば「コバルト60」の事例がある。
      20. 中国、年内に「ゴミ」輸入停止へ WTOに通告”. ロイター (2017年7月19日). 2018年4月20日閲覧。
      21. ごみ回収拒否の「大乱」で日本式に納得”. 産経新聞社 (2018年4月12日). 2018年4月20日閲覧。
      22. 中国の「ごみ輸入禁止」、リサイクル業界に変革促すか”. CNN (2018年4月23日). 2018年5月5日閲覧。
      23. 2019年の日本の廃プラ輸出量は90万トン、100万トン割れは2004年以来(世界) | ビジネス短信 - ジェトロ”. www.jetro.go.jp. 2020年2月17日閲覧。
      24. 特別リポート:コロナ禍で「プラ危機」、廃棄増がリサイクル圧迫”. ロイター (2020年10月7日). 2020年10月24日閲覧。

      参考文献

      • 小島道一 『リサイクルと世界経済 - 貿易と環境保護は両立できるか』 中央公論新社〈中公新書〉、2018年。

      関連項目

      外部リンク

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