ビピリジン

ビピリジン(bipyridine)とは、ピリジン2分子が炭素-炭素単結合で直接つながった分子構造をした、有機化合物の総称である。1種類の化合物ではなく、6種類の構造異性体が存在する。なお、ビピリジンの構造は、ビフェニルの2つの芳香環を構成する炭素原子のうち、2つの芳香環をつないでいない炭素のうちの1つずつが窒素に置換された化合物と説明することもできる。導入された窒素原子が持つ孤立電子対は、sp2混成軌道に格納することによって、ビピリジンの環状部分も芳香族性が保たれる。なお、ビピリジンの孤立電子対は通常、sp2混成軌道に格納されるため、ピリジンと同様に、この孤立電子対は塩基性を保っている。 ビピリジンの化学式はC10N2H8であり、分子量は156.18。無極性溶媒によく溶け、水に微量溶ける。異性体の中でも、2,2'-体と4,4'-体が化学的に重要である。ビピリジルジピリジンジピリジルとも呼ばれる。

2,2'-ビピリジン
IUPAC名2,2'-ビピリジン
2,2'-ビピリジル
別名2,2'-ジピリジル
α,α'-ジピリジル
分子式C10N2H8
分子量156.18
CAS登録番号366-18-7
形状無色固体
融点69.7 °C[1]
沸点272273 °C[1]
4,4'-ビピリジン
IUPAC名4,4'-ビピリジン
4,4'-ビピリジル
別名4,4'-ジピリジル
γ,γ'-ジピリジル
分子式C10N2H8
分子量156.18
CAS登録番号553-26-4
形状無色固体
融点111112 °C[2]
沸点304.8 °C[2]

2,2'-ビピリジン

2,2'-ビピリジン3分子が金属イオンに配位した状態。なおMは、鉄やクロムなどのイオンである。

2,2'-ビピリジンは2個の窒素の位置関係が 1,10-フェナントロリンと似ており、それと同様にほとんどの金属イオンに対しキレート配位子としてはたらく。2,2'-ビピリジンが錯体上で配位子となっている場合、化学式では bpy と略される。

2,2'-ビピリジンは無色の化合物であるが、金属に配位することで平面状となり、広がったπ共役系により発色する。その性質より、有機金属化合物の滴定にも用いられる。

また、ジクワット(ダイコートと発音することもある)として知られる化合物、1,1'-エチレン-2,2'-ビピリジニウムの原料となる。

4,4'-ビピリジン

4,4'-ビピリジンは、メチルビオローゲン、またはパラコートとして知られる化合物、1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウムの原料となる。4,4'-ビピリジンの窒素原子上に置換基を導入した化合物は「ビオロゲン(ビオローゲン)」の慣用名で総称される。

ビピリジンの6種の異性体

参考文献

  1. Merck Index 13th ed., 3382.
  2. Merck Index 13th ed., 3383.

関連項目

外部リンク

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