ハッシウム

ハッシウム: hassium)は原子番号108の元素元素記号Hs超ウラン元素超重元素である。安定同位体は存在しない。

ボーリウム ハッシウム マイトネリウム
Os

Hs

Upo
108Hs
外見
不明
一般特性
名称, 記号, 番号 ハッシウム, Hs, 108
分類 遷移金属
, 周期, ブロック 8, 7, d
原子量 [269]
電子配置 [Rn] 5f14 6d6 7s2(推定)
電子殻 2, 8, 18, 32, 32, 14, 2(推定)(画像)
物理特性
固体(推定)
密度室温付近) 41 g/cm3
原子特性
酸化数 8
共有結合半径 134 pm
その他
結晶構造 不明
CAS登録番号 54037-57-9
主な同位体
詳細はハッシウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
263Hs syn 0.74 ms α 10.89, 10.72, 10.57 259Sg
264Hs syn ~0.8 ms α (50%) 10.43 260Sg
SF (50%)
265Hs syn 2.0 ms α 261Sg
265mHs syn 0.75 ms α 261Sg
266Hs syn 2.3 ms α 10.18 262Sg
267Hs syn 52 ms α 9.99, 9.87 263Sg
267mHs syn 0.8 s α 9.83 263Sg
268Hs syn 0.36 s α 9.48 264Sg
269Hs syn 9.7 s α 9.21, 9.10, 8.97 265Sg
270Hs syn 3.6 s α 9.02, 8.88 266Sg
271Hs syn ~4 s α 9.27, 9.13 267Sg
273Hs syn 0.24 s α 9.59 269Sg
275Hs syn 0.15 s α 9.30 271Sg
277aHs syn 2 s SF
277bHs ? syn ~11 min[1] SF

名称

1992年、IUPACIUPAPによる合同作業部会の報告書によって認定されると、所在地であるドイツヘッセン州ラテン語名、ハッシア (hassia) にちなんでハッシウムが提案された[2]

本来なら発見者提案が優先されるはずだが、1994年に発表されたIUPACの超フェルミウム元素に関する報告書[3]では、オットー・ハーンにちなんでハーニウム (hahnium, Hn) となっていた。

これはアメリカ化学会105番元素名として提案し、アメリカでは既に使用されていた名前だったが、105番元素の命名権はドゥブナ合同原子核研究所が得ていた。ドイツ化学会ドイツ物理学会の抵抗と長い議論が続き、系統名ウンニルオクチウム: unniloctium, Uno)の使用が続いた。

1997年、IUPACとIUPAPは改めて報告書を出し[4]、正式にハッシウムと命名された。

歴史

1984年重イオン研究所線形加速器UNILACによるペーター・アルムブルスターゴットフリート・ミュンツェンベルクらのイオンを照射する実験[5]によって合成に成功した。

2002年スイスベルン大学でわずか7原子から酸化物、次いでオキソ酸塩を合成する実験[6]が行われ、化学的性質のいくつかが測定された。

性質

原子の巨視的-微視的 (MM) 理論では原子番号108番 (Z=108) は陽子単独の魔法数と考えられ、中性子の魔法数 (N=162) を併せ持つ二重魔法数のハッシウム270は長い半減期をもつ可能性が指摘されていた。

2001年5月、ベルン大学とパウル・シェラー研究所ほかの国際研究チームが、キュリウム248マグネシウム26からの合成に成功[7]したが、推測された半減期は2〜7秒と、特に長寿命とは言えなかった。

一方、N が170を超えると再び安定傾向が強まる理論研究[8]から、中性子魔法数 (N=184) を持つハッシウム292安定の島中心とする考え[9]もある。

化合物

第8族元素の遷移金属であり、性質はオスミウムに類似している。周期表の位置からエカオスミウム (eka-osmium) と呼ばれることもあった。2002年の合成実験成功により、現在確認されている化合物に含まれる最も原子番号の大きい元素となった。

  • ハッシウム酸ナトリウム (Na2[HsO4(OH)2]) 上記の四酸化ハッシウムに水酸化ナトリウムを作用させて合成された[11]

出典

  1. Oganessian, Yu. Ts.; Utyonkov, V. K.; Lobanov, Yu. V.; Abdullin, F. Sh.; Polyakov, A. N.; Shirokovsky, I. V.; Tsyganov, Yu. S.; Gulbekian, G. G. et al. (2000). “Synthesis of superheavy nuclei in 48Ca+244Pu interactions”. Physics of Atomic Nuclei 63 (10): 1679–1687. doi:10.1134/1.1320137. http://www.springerlink.com/content/f80mt423204570p8/fulltext.pdf.
  2. 桜井弘 『元素111の新知識』 講談社、1998年、423頁。ISBN 4-06-257192-7。
  3. NAMES AND SYMBOLS OF TRANSFERMIUM ELEMENTS IUPAC
  4. NAMES AND SYMBOLS OF TRANSFERMIUM ELEMENTS IUPAC
  5. Chemical investigation of hassium (Hs, Z=108) 重イオン研究所
  6. Chemical investigation of hassium (element 108) アメリカ国立生物工学情報センター
  7. DECAY PROPERTIES OF 269Hs AND EVIDENCE FOR THE NEW NUCLIDE 270Hs 重イオン研究所
  8. Doubly magic 270Hs Archived 2012年3月3日, at the Wayback Machine. 重イオン研究所
  9. Island-of-Stability Wikimedia Commons
  10. Düllmann, E. et al. Chemical investigation of hassium (element 108). Nature 418, 859−862 (2002)
  11. A. von Zweidorf et al. "Final result of the CALLISTO-experiment: Formation of sodium hassate(VIII)" GSI Scientific Report 2003. アーカイブされたコピー”. 2008年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月30日閲覧。 (PDF)

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.