ステルビン

ステルビン(Sterubin)とは、イエルバサンタEriodictyon californicumEriodictyon angustifolium)という植物から抽出された、フラバノンの1種である。この物質は、味覚修飾物質(味覚狂わせる作用をもった物質)であることや、白髪改善効果があることが知られている。

ステルビン
識別情報
CAS登録番号 51857-11-5
PubChem 1268276
ChemSpider 1064932 
特性
化学式 C16H14O6
モル質量 302.28 g/mol
密度 1.458 g/mL
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

概要

ステルビンは、シムライズ社に所属する科学者によって、アメリカ州に育つイエルバサンタ(英語読み:ヤーバサンタ)から抽出されて同定された、味覚を修飾する性質を持った4つの物質のうちの1つである。なお、その他の3つは、ホモエリオジクチオールとそのナトリウム塩エリオジクチオールである [1] 。 以上4つの物質は、いずれも味覚を一時的に変える作用、具体的には、ヒトに対して苦味遮蔽効果(苦味を感じにくくする作用)を持っている [2] 。 ただし、エリオジクチオールの苦味遮蔽効果は、ホモエリオジクチオールのナトリウム塩の苦味遮蔽効果よりも小さい。


ステルビンを顎に塗布することで、白鬚の黒鬚化が認められたという報告があり[3][4]、そのメカニズムはWNTシグナルの活性化を介したMITF、チロシナーゼの増加によるメラニン色素産生効果である[3]。また、ステルビン含有量が多いヤーバサンタには有意な白髪改善効果や白鬚改善効果があるが、ステルビン含有量が少ないヤーバサンタには有意な白鬚改善効果はない[5]。さらに、マウスを用いた特殊な条件下の基礎研究では、ステルビンを傷口に塗布することで傷跡から黒毛再生することが報告されている[6]

出典

  1. Ley JP, Krammer G, Reinders G, Gatfield IL, Bertram HJ (July 2005). “Evaluation of bitter masking flavanones from Herba Santa (Eriodictyon californicum (H. and A.) Torr., Hydrophyllaceae)”. J. Agric. Food Chem. 53 (15): 6061–6. doi:10.1021/jf0505170. PMID 16028996.
  2. Patricia Kaminski and Richard Katz. Yerba Santa Eriodictyon californicum. Flower Essence Society.
  3. Taguchi, Nobuhiko; Hata, Toshihiro; Kamiya, Emi; Kobayashi, Ai; Aoki, Hitomi; Kunisada, Takahiro (2018-12). “Reduction in human hair graying by sterubin, an active flavonoid of Eriodictyon angustifolium” (英語). Journal of Dermatological Science 92 (3): 286–289. doi:10.1016/j.jdermsci.2018.11.002. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0923181118304079.
  4. 『「白髪を染めずに治す」Biophilia 電子版 No. 29』株式会社アドスリー、2019年4月10日、49-55頁。
  5. Taguchi, N.; Hata, T.; Kamiya, E.; Homma, T.; Kobayashi, A.; Aoki, H.; Kunisada, T. (2020-08). “Eriodictyon angustifolium extract, but not Eriodictyon californicum extract, reduces human hair greying” (英語). International Journal of Cosmetic Science 42 (4): 336–345. doi:10.1111/ics.12620. ISSN 0142-5463. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ics.12620.
  6. Taguchi, Nobuhiko; Yuriguchi, Minoru; Ando, Takuya; Kitai, Ryosuke; Aoki, Hitomi; Kunisada, Takahiro (2019-09-01). “Flavonoids with Two OH Groups in the B-Ring Promote Pigmented Hair Regeneration” (英語). Biological and Pharmaceutical Bulletin 42 (9): 1446–1449. doi:10.1248/bpb.b19-00295. ISSN 0918-6158. https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/42/9/42_b19-00295/_article.
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