カルムスチン

カルムスチン英語: Carmustine)は、別名BCNU(bis-chloroethylnitrosourea)とも呼ばれるβ-クロロ-ニトロソウレア化合物であり、アルキル化剤として癌化学療法に用いられる。日本では2012年9月に承認を取得した[2]

カルムスチン
識別情報
CAS登録番号 154-93-8 
PubChem 2578
ChemSpider 2480 
UNII U68WG3173Y 
EC番号 205-838-2
国連/北米番号 2811
DrugBank DB00262
KEGG D00254 
MeSH Carmustine
ChEBI
ChEMBL CHEMBL513 
RTECS番号 YS2625000
ATC分類 L01AD01
特性
化学式 C5H9Cl2N3O2
モル質量 214.05 g mol−1
外観 Orange crystals
匂い Odourless
融点

30 °C, 303 K, 86 °F

log POW 1.375
酸解離定数 pKa 10.194
塩基解離定数 pKb 3.803
薬理学
生物学的利用能 5–28%
投与経路
  • Intravenous
  • Intralesional
代謝 Hepatic
消失半減期 15–30 min
血漿タンパク結合 80%
排泄
  • Renal
  • Respiratory
法的状況 Prescription only ()
胎児危険度分類 D(US)
危険性
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H300, H350, H360
Pフレーズ P301+310, P308+313
EU分類 T+
Rフレーズ R45, R46, R60, R61, R28
Sフレーズ S22, S36/37/39, S45
半数致死量 LD50 20 mg kg−1 (oral, rat)
関連する物質
関連するureas Dimethylurea
関連物質
  • Noxytiolin
  • 1,1,3,3-Tetramethylguanidine
  • Metformin
  • Allantoic acid
  • Buformin
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

BCNUはジアルキル化剤であるので、2本のDNAを架橋固定して、DNA複製および転写を阻害する。血液脳関門を通過する。原薬は黄橙色の固体である。

商品名ギリアデル。米国ではBiCNUという商品名で、インドではCarustineという商品名で販売されているほか、欧州およびアジア諸国等29カ国で承認されている。

適応

日本では、脳内留置用製剤が悪性神経膠腫の腫瘍切除後に用いられる[3]

米国では、脳腫瘍神経膠腫、多形膠芽腫髄芽腫星状細胞腫を含む)のほか、多発性骨髄腫悪性リンパ腫ホジキンおよび非ホジキンに用いられる。BCNUはO6-ベンジルグアニン(日本未承認)等のアルキルグアニントランスフェラーゼ(AGT)阻害薬と併用されることが多い。AGT阻害薬はグアニンのN1シトシンのN3の間で架橋されたDNAの修復を阻害する事でBCNUの有効性を高めることができる。

米国には静脈注射用製剤もあり、骨髄移植の一つ造血幹細胞移植で患者(被移植側)の白血球数を減らすためにも用いられる。この場合通常は、フルダラビンおよびメルファランが併用される。

副作用

治験での副作用発生率は54.2%であり、その主な内容は、脳浮腫(25.0%)、発熱(12.5%)、リンパ球数減少(12.5%)、片麻痺(不全片麻痺を含む)(12.5%)、悪心(8.3%)、嘔吐(8.3%)、食欲減退(8.3%)、頭痛(8.3%)、ALT(GPT)増加(8.3%)であった[3]

重大な副作用として、日本の添付文書には、

  • 痙攣、大発作痙攣、脳浮腫、頭蓋内圧上昇、水頭症、脳ヘルニア、
  • 創傷治癒不良、感染症(創傷感染、膿瘍、髄膜炎等)、
  • 血栓塞栓症(脳梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症等)、出血(腫瘍出血、脳出血、頭蓋内出血等)

が挙げられている。

留置

日本では上記の様に、悪性神経膠腫の切除術後に生体内分解性ポリマー基材(ポリフェプロサン20)に含浸した製剤が用いられる。

米国においても、脳腫瘍の治療に用いるために生体分解性ウェハー含浸製剤が認可されており[4]開頭術中に用いられる[5]

関連項目

出典

外部リンク

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