イギリスの福祉

イギリス福祉(イギリスのふくし、Welfare in United Kingdom)は福祉国家モデルで運営されており、保健教育雇用社会保障などが含まれる。イエスタ・エスピン=アンデルセンによれば、英国の福祉制度はリベラル福祉国家に分類される[2]

イギリスの一般政府歳出(2014年)[1]

  一般公共サービス (13.77%)
  防衛 (5.33%)
  経済関連 (6.22%)
  環境保護 (1.03%)
  住居・地域環境 (4.44%)
  保健 (18.71%)
  娯楽・文化・地域 (1.08%)
  教育 (10.57%)
  社会保護 (34.77%)

イギリスでは1941年のベヴァリッジ報告書において社会保障(Social Security)が提唱され、「ゆりかごから墓場まで」とされる最低限度(ナショナル・ミニマム)の保証を目指した[3]

分野

保健

主に国民保健サービス(NHS)による公費負担医療として提供され、登録制の総合診療医(GP)によるプライマリケアが達成されている。2011年度では、NHS予算の98.8%は公費にて賄われており、これはイギリス国家予算の25.2%に相当する[4]

家庭支援

保育サービスについては自己負担となる。幼稚園nursery school)については原則半日分が無料であり、また3-4歳児は週15時間の無料早期教育サービスを年38週受ける権利がある[5]

障害者支援

所得支援

勤労者タックスクレジットならびにインカムサポートが存在し、どちらもミーンズテストに基づく公的扶助である。

年金

国民保険への保険料払い込みカード

公的年金制度としては、全国民が加入する一階部分の基礎年金( 定額供出型)と、二階部分の所得比例方式(国家第二年金,SEPRS)がある[6][7]

さらに低所得者を対象とした年金クレジット(Pension Credit)が存在し、これは租税を原資としミーンズテストによって実施される社会扶助無拠出制年金)であり、収入に応じて減額される[6]

加えて、職場提供の私的年金が存在することもある[6]

財政

中央政府の社会的支出は、2011年度には113.1億ポンドであり、これは政府会計の16%を占める。加えて、国民年金に119.4億ポンド(17%)、保健に121億ポンド(18%)が歳出されている[8]

2010年にキャメロン内閣はState of the Nationと題したレポートを発表し、最も歳出の多い支出は国民年金であり(50億ポンド以上)、続いて住宅支援とcouncil tax benefit(20億ポンド以上)であるとしている[9]。2011-12年の歳出では、失業給付に5.1億ポンド、低所得者に41億ポンドが支給されている[10][11]

なおイギリスの付加価値税(VAT)は20.0%である(2012年)。

イギリスの税収構造(2012年)[12]

  個人所得税・法人税 (35.6%)
  社会保険 (19.1%)
  資産税 (11.9%)
  消費税 (32.9%)
  その他 (0.5%)
英国政府の福祉支出 2011–12[13]
分類歳出額 (10億ポンド)
国民年金(State pension)£74.2
住宅援助(Housing Benefit)£16.9
障害者生活支援(Disability Living Allowance)£12.6
年金クレジット(公的扶助年金)£8.1
インカムサポート£6.9
住宅補助金(Rent rebate)£5.5
Attendance Allowance£5.3
求職者給付(Jobseeker's Allowance)£4.9
障害給付(Incapacity Benefit)£4.9
Council Tax Benefit£4.8
その他の支出£4.7
Employment and Support Allowance£3.6
Statutory Sick/Maternity pay£2.5
Social Fund£2.4
求職支援(Carer's Allowance)£1.7
Financial Assistance Scheme£1.2
£160.2

歴史

戦後

脚注

  1. Government at a Glance (Report). OECD. (2015). doi:10.1787/22214399.
  2. Esping-Andersen 1990; Ferragina and Seeleib-Kaiser, 2011)
  3. 平岡公一 『社会福祉学』 有斐閣、2011年12月、113-119頁。ISBN 9784641053762。
  4. OHE Guide to UK Health and Health Care Statistics (Report). Office of Health Economics. (2013-08). https://www.ohe.org/publications/ohe-guide-uk-health-and-health-care-statistics.
  5. 海外情勢報告 2013, pp. 266-267.
  6. “イギリスの公的・私的年金制度改革”. 海外社会保障研究 (国立社会保障・人口問題研究所) 169. (2009). http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/19176203.pdf.
  7. Pensions at a Glance 2015: OECD and G20 indicators, OECD, (2015-12), United Kingdom DOI:10.1787/pension_glance-2015-82-en, ISBN 9789264249189
  8. Public Spending Details for 2011”. UK Public Spending. 2013年1月5日閲覧。
  9. The cost of the most expensive benefits and tax credits relative to selected other departmental expenditure”. State of the nation report: poverty, worklessness and welfare dependency in the UK. HM Government. p. 36 (2010年5月). 2013年1月5日閲覧。
  10. Benefits for unemployed people”. A Survey of the UK Benefit System. Institute for Fiscal Studies. p. 16. 2012年11月閲覧。
  11. Benefits for people on low incomes”. A Survey of the UK Benefit System. Institute for Fiscal Studies. p. 25. 2012年11月閲覧。
  12. Revenue Statistics 2014 (Report). OECD. (2014). p. 93. doi:10.1787/rev_stats-2014-en-fr.
  13. Rogers,Simon; Blight, Garry (2012年12月4日). “Public spending by UK government department 2011-12: an interactive guide”. The Guardian. http://www.guardian.co.uk/news/datablog/interactive/2012/dec/04/public-spending-uk-2011-12-interactive 2013年4月2日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク

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